『いつか猫になる日まで』を読み返したのでメモを取った。

8月になりましたね。8月と言えば『いつか猫になる日まで』ですね。
という訳で久しぶりに僕が初めて読んだ新井素子本である集英社文庫コバルトシリーズの『いつか猫になる日まで』を読み返しました。外側は焼けてるし黄ばんでるしカビてるけれども未だにお気に入りの一冊であります。8月7日から13日までの7日間の物語は、読み返すとやっぱり甘酸っぱいしほろ苦いし自分とは何かを考えちゃうし、恋愛あり友情あり冒険ありの青春SFの傑作であるなあと思います。
で、まあせっかくなので、本文中に出て来る単語(主に名詞)をメモしてみました。

メモ

第一章 夢

P.11 森本あさみ(親友・身長170cm・8月7日生まれ)
P.12 殿瀬和馬(小・中の同級生・8月13日生まれ)
P.12 海野桃子(愛称:もくず・8月8日生まれ)*1
P.14 ラーメン
P.16 コーヒー、トースト、バター、アプリコットジャム
P.18 精神感応、ESP能力、八月七日
P.20 木村利明(ライオンさん=P.36・8月12日生まれ)
P.20 アラン・ドロン
P.22 いちこ(笹原いちこ=P.24・木村の亡き恋人)
P.23 かみしゃく(上石神井)、高田馬場、(西武)新宿線、(西武)池袋線石神井公園
P.24 小茂根
P.24 佳佑
P.24 石神井公園駅上石神井駅、池袋
P.26 UFO
P.22 自衛隊、消防署
P.30 精神感応能力
P.31 テレパシー

第二章 みどりいろの宇宙船

P.33 八月八日
P.37 木々美姫(愛称:姫・8月8日生まれ)
P.39 石神井池
P.45 予知能力
P.45 水原誠(8月10日生まれ)
P.48 テレパス
P.49 エイリアン(異邦人の意*2)、ギリシア、キトン、若草色、紫陽花
P.50 言語翻訳器、サイコ・バリア、催眠術
P.51 ピストル、煙草、マッチ、ライター
P.52 Gパン
P.53 ハイヒール
P.55 浅田飴
P.55 ヨキ(宇宙人・女性形)

第三章 戦争

P.58 シュヴィア(宇宙人・男性形)
P.58 ラジュー(宇宙人・女性形)
P.60 銀河系
P.61 レンチ
P.62 ヴィス(故郷の星の名前→種族名)
P.62 地球人
P.70 ウルトラマン、スーパーマン
P.71 アメリカ空軍

第四章 たんぽぽ咲いて

P.74 喫茶店
P.77 アポロ、サターン何号
P.85 惑星オーサ、シナ
P.88 たんぽぽ
P.89 ブラッドベリレイ・ブラッドベリ)、”たんぽぽのお酒”*3
P.89 ブラックベリー、ブルーベリー
P.91 月月火水木金金(歌のタイトル)
P.91 バスケ、ラグビー
P.94 森君(高二の時のクラスメート)
P.95 八月九日
P.98 ゴルフ場

第五章 かすみ草に石が降り

P.100 ハンバーガ
P.101 アイスキャンディ
P.103 おじぎ草
P.104 ねむの木、ミモザ博物学
P.105 マイルドセブン
P.106 チューリップ、たんぽぽ、しろつめ草、かすみ草、大八車
P.109 マフラー、セーター
P.110 鎖編み

第六章 ヴィス――そして、すべての夢が崩れるとき

P.119 八月十日
P.122 アンパン、ジャムパン

第七章 月がとっても青いから

P.141 月がとっても青いから(歌のタイトル)
P.150 欠けたることのなしと思えば。(此の世をば我が世とぞ思ふ望月の虧かけたる事も無しと思へば 藤原道長

第八章 戦闘開始

P.155 メクロ(第三司令船所属第七隊救援船船長)
P.162 ドッジボール
P.171 まだ一桁よね

※既に12人に達していました。(各ミッションで/の前の2人が月面着陸しています)
アポロ11号・1969年:ニール・アームストロング、バズ・オルドリン/マイケル・コリンズ
アポロ12号・1969年:ピート・コンラッド、アラン・ビーン/リチャード・ゴードン
アポロ14号・1971年:アラン・シェパード、エドガー・ミッチェル/スチュワート・ルーサ
アポロ15号・1971年:デイヴィッド・スコット、ジェームズ・アーウィン/アルフレッド・ウォーデン
アポロ16号・1972年:ジョン・ヤング、チャールズ・デューク/ケン・マッティングリー
アポロ17号・1972年:ユージン・サーナン、ハリソン・シュミット/ロナルド・エヴァンス

P.178 ピンク

第九章 決戦、そして詰め

P.182 ゴティンダ(第十七空域から三十七空域担当第二司令船キャプテン)
P.182 タミュテ(副キャプテン)
P.185 ハイライト
P.196 アメリカン・クラッカー
P.199 獅子座
P.202 軍神マルス

第十章 見果てぬ夢の果てたあと

P.213 八月十三日
P,218 原宿
P.221 おとつい(愛蔵版で昨日に訂正)
P.222 ”木村さんが十一日”(愛蔵版で十二日に訂正)*4
P.222 上石神井一丁目(新装版で二丁目に訂正)、石神井台二丁目*5
P.223 石神井台四丁目、関町二丁目(新装版で関町南一丁目に訂正)*6
P.228 剣道
P.231 ミスタースリム、メンソール
P.232 専売公社(愛蔵版:日本たばこ・新装版:JT、にそれぞれ訂正)※→補記(2)
P.233 セメダイン

第十一章 いつか猫になる日まで

P.239 プチブル
P.244 はこべ、クレパス
P.250 ワープ

補記(1) 二人称の変遷

お宅がつくったの」「ええ、勝手知ったるお勝手ですもの」(1980年・コバルト文庫版/P.14)

おたくがつくったの」「ええ、勝手知ったるお勝手ですもの」(1996年・愛蔵版/P.15)

あさみがつくったの」「ええ、勝手知ったるお勝手ですもの」(2005年・コバルト文庫新装版/P.15)

補記(2) 名称の変遷

専売公社だってこう言いながら売ってるじゃない」(1980年・コバルト文庫版/P.232)

日本たばこだってこう言いながら売ってるじゃない」(1996年・愛蔵版/P.232)

JTだってこう言いながら売ってるじゃない」(2005年・コバルト文庫新装版/P.235)
日本専売公社が解散し日本たばこ産業株式会社(略称「日本たばこ」)が設立されたのが1985年。「JT」は1988年にコミュニケーション・ネームとして導入された。

補記(3) 宇宙人名・惑星名の由来

推測ですが山手線の駅名です。

  • ヨキ=代々木
  • シュヴィア=渋谷
  • ラジュー=原宿
  • ヴィス=恵比寿
  • 惑星オーサ=大崎
  • シナ=品川
  • メクロ=目黒
  • ゴティンダ=五反田
  • タミュテ=田町

→【参考】新井素子研究会|新井素子作品・駅名の旅

書籍

いつか猫になる日まで

いつか猫になる日まで

いつか猫になる日まで (コバルト文庫)

いつか猫になる日まで (コバルト文庫)

*1:新井素子さんの誕生日はもくずや姫と同じ8月8日。

*2:映画『エイリアン』の公開は1979年。

*3:たんぽぽのお酒 (ベスト版文学のおくりもの)

*4:P.221で木村が「正確にはおとついで二十歳なんだ。俺、八月十二日生まれなの」と言い、P.222であさみが「あたしが七日、もくずと美姫さんが八日、水原君が十日で木村さんが十一日、殿瀬君が十三日?」と言っている。実は十二日というのが間違いで木村利明の誕生日は十一日だったのではないかという疑問が生じた。しかし後の再刊本では十二日に統一された。

*5:石神井一丁目とあるが井草高校は二丁目だし石神井台二丁目と隣町になるのも二丁目だし、と思ったら新装版では二丁目に訂正されていた(愛蔵版ではそのまま)。

*6:住居表示が実施されて練馬区関町南一〜四丁目が成立したのは1984年のことらしい。

2015年6月の読書記録

読んだ本の数:16冊

辞書を編む (光文社新書)

『辞書を編む』というタイトルで『舟を編む』を思い出した人にはぜひ読んでもらいたい本。『三省堂国語辞典』の編集委員である飯間氏が第七版の刊行に取り組む時系列に則した形で編纂者の考えと国語辞典がどのように作られるのかを語る。本文中には『舟を編む』に纏わるエピソードも登場する。
この本の刊行が2013年4月で『三省堂国語辞典』第七版の刊行が2013年12月。本の中では編集作業の真っ最中のその辞書を傍らに置き本文中に登場する単語を引きながら読むと臨場感があってまた面白い。久しぶりに長時間辞書と向き合って単語への興味が連鎖して行くのが楽しかった。辞書の性格を知った上で利用するのも興味深い体験である。辞書は言葉の正確な意味を知るための道具だと思っていたから各辞書の性格なんて今まで考えたこともなかった。『三省堂国語辞典』を手許に置きたくなる。
「しょっぱい」の隠語的意味も載ってたのが個人的に好感を持った。次の版では「塩」の意味も追加されるだろうかと興味が続く。
読了日:6月29日 著者:飯間浩明

辞書を編む (光文社新書)

辞書を編む (光文社新書)

三省堂国語辞典 第七版

三省堂国語辞典 第七版

大奥 (12) (ジェッツコミックス)

徳川治済の怪物ぶりはこの巻でも圧巻。台詞で表情が見えないと思ったら次のページのあの顔。恐い。そしてついに赤面疱瘡との戦いに終止符が。黒木や伊兵衛があの聡明な人たちを思い出したように俺も感慨に浸った。将軍家斉と御台所の関係も泣かせる。愛は戻らなかったけれどもお互いのことは解り合っていたのだと思う。シーボルト事件のこと、これ高橋景保に関しては新解釈なんだろうか。で、いよいよ黒船が来た。次巻も楽しみだ。
『大奥』に関しては読むたびにいろんなことが頭の中を駆け巡って果ては胸中に溜まったまま燻ったりするんだがそれらを詳らかに言葉にするだけの文才が俺にはあまりにも無い。
読了日:6月26日 著者:よしながふみ

大奥 12 (ジェッツコミックス)

大奥 12 (ジェッツコミックス)

たいようのいえ (13)<完> (KCデザート)

物事の終わりはまた新たな始まりであって生きていく限りそれが連綿と続いていくので禍福は糾える縄のようだと言うけれどもせめてこの幸せは長く続きますようにと祈らずにいられない。特に大樹にはいいことがありますように。
読了日:6月24日 著者:タアモ

たいようのいえ(13)<完> (KC デザート)

たいようのいえ(13)<完> (KC デザート)

剣と紅 戦国の女領主・井伊直虎 (文春文庫)

傑作。超傑作。
やられた。久しぶりに没入した。すごいよかった。
思い返すとため息が出るし最後の処を読み返すたびに胸がきゅーっとなる。
やばい。まじ傑作。
これを読んでると今川氏が憎くなる。「滅亡」の文字が出た処でざまみろと思った。
読了日:6月23日 著者:高殿円

江口寿史の正直日記 (河出文庫)

この言葉を帯の惹句に軽々しく使っていいものなんだろうかと軽い戦慄を覚えた。それすらも自虐芸なのかも知れず内容を端的に表現するという意味ではこの本には最もふさわしいと言える。このダメさ加減には普遍性がある。読んでると胸に染みてきて笑いながら泣いてしまう感じ。漫画が読みたいです。
俺はディープな江口ファンじゃないけど樋口毅宏が解説で引用した『すすめ!!パイレーツ』のフレーズは全部頭の中に絵が浮かんできた。この解説はよかった。
読了日:6月18日 著者:江口寿史

海街diary (1)-(6) (flowersコミックス)

気にはなっていたものの読んでいなかった作品を映画化を期に読んだ。途中で読むのをやめることのできない面白さで一気に読んでしまった。続きも気になる。
すずの進学先として掛川にある架空の高校が登場する。果たして彼女の選択は。
(1) 蝉時雨のやむ頃
(2) 真昼の月
(3) 陽のあたる坂道
(4) 帰れない ふたり
(5) 群青
(6) 四月になれば彼女は
読了日:6月15日 著者:吉田秋生

海街diary 1 蝉時雨のやむ頃

海街diary 1 蝉時雨のやむ頃

isbn:4091670377detail
海街diary 3 陽のあたる坂道 (フラワーコミックス)

海街diary 3 陽のあたる坂道 (フラワーコミックス)

海街diary 4 帰れない ふたり(flowers コミックス)

海街diary 4 帰れない ふたり(flowers コミックス)

海街diary(うみまちダイアリー)5 群青 (flowers コミックス)

海街diary(うみまちダイアリー)5 群青 (flowers コミックス)

王妃の帰還 (実業之日本社文庫)

本文中に「新井素子」という単語が出て来る小説。単行本版で既読だが文庫版が出たので再読。学級内権力闘争に巻き込まれる女子中学生たちの戸惑い悩み傷つきながらも成長していく姿を瑞々しく描き出した佳作で数々の波乱の後に辿り着いたラストシーンのまばゆさには神聖さすら覚える。わたしゃどうもここに描かれた派閥とか人間関係の機微とか心理の綾とかがよく判らんのでそういうもので一杯の海を懸命に漕ぎ渡ろうとしている彼女らの姿に却って感動を覚えるのだと思う。これ面白いっす。
読了日:6月11日 著者:柚木麻子

王妃の帰還 (実業之日本社文庫)

王妃の帰還 (実業之日本社文庫)

さらば国分寺書店のオババ

椎名誠の語る国分寺書店のオババの追想に書店従業員としての自分を重ね見る。日頃自分はどうすべきなのかと考えていたことと重なる部分もありそうだそうだと思う自分とそれはたしかにやり過ぎではと思う自分がいる。ただ根底には圧倒的な共感がある。老婆は死なず、ただ消え去るのみ。
読了日:6月7日 著者:椎名誠

さらば国分寺書店のオババ

さらば国分寺書店のオババ


新井素子」という単語が出て来る本を知りたいというツイートに『さらば国分寺書店のオババ』はどうかと見ず知らずの人からリプライを頂いたので三五館版を図書館で借りて読んだのだった。結論を言えば本文中には出て来ない。なんだこのアドバイス罪案件は、とかなりがっくり来た。
しかし、である。ググってみるとクリーク・アンド・リバー社が刊行した電子書籍版(「椎名誠旅する文学館シリーズ」)の巻末に椎名誠目黒考二の対談が収録されており、その中で新井素子さんへの言及があることが判った。この対談はwebで読める。

椎名 そのときの奇想天外の新人賞を受賞したのが新井素子さんだ。

旅する文学館|椎名誠の仕事(聞き手 目黒考二)|『さらば国分寺書店のオババ』その6]

椎名誠が応募した1977年の第1回奇想天外SF新人賞で佳作となった5編の内のひとつが当時高校2年生だった新井素子さんの「あたしの中の……」だった。名前が出るてことはその後の活躍も含め印象に残っていたのかなと。
とこのようなことをググるきっかけになったのでリプライを頂いたことには感謝している。ついでに言えば『さらば国分寺書店のオババ』の刊行は1979年で三五館版P.27には「一九七七年に入ってから、急にキチガイ的に、この車内アナウンスがやかましくなってしまったのである。」とあるから第1回奇想天外SF新人賞が行われた頃の東京郊外の様子やその他諸々が一人の男性の目から語られるという新井素子的な興味からも読める。電子書籍版はKindleやその他の電子書店でも販売しているのでチェックしてみるとよろしいかと。

図書館戦争 LOVE&WAR (15) (花とゆめコミックス)

ついに本編完結。描き切った、と思った。原作よりも更に恋愛成分多めで読んでいてデレデレになる場面が多かったがむしろそれがよかった。楽しく読んだ。連載が始まったのが7年前と書いてあったけどそんなに前か。なんかあっという間だったような気がする。
デパートの人らの対応がすごい泣ける。原作でも泣いた。『通りすがりのレイディ』であゆみちゃんが番組ジャックした後にレイディ捜索の協力者が続出して「あたし、日本人て、好きよ」とか何とか言ってたけど、まさにあんな感じと気分。
『別冊』はやっぱり1巻からてことになるのかな。楽しみ。
読了日:6月5日 著者:

図書館戦争 LOVE&WAR 15 (花とゆめCOMICS)

図書館戦争 LOVE&WAR 15 (花とゆめCOMICS)

リライブ (ハヤカワ文庫JA)

一冊の本にまつわる複雑怪奇な時間SF四部作、これにて終幕。前三作の謎解きを期待して挑んだもののこちらの想像を軽く超えて押し寄せる物語に未だ理解できていない部分も残る。しかし拘りの形式美に魅せられてラストシーンでは深い感動に包まれた。傑作。
ほぼ静岡県内が舞台となっている「静岡SF」なので静岡県民は読むと良いと思う。あと本が好きだったり『時をかける少女』が好きな人はぜひ。『リライト』『リビジョン』『リアクト』『リライブ』を一気に読むのがおすすめ。(そして読み返したくなるのさ)
読了日:6月4日 著者:法条遥

リライブ (ハヤカワ文庫JA)

リライブ (ハヤカワ文庫JA)

2015年5月の読書記録

読んだ本の数:10冊

リアクト (ハヤカワ文庫JA)

謎は深まるばかりです。こんな手口で来るとは予想外で途中で思わず笑ってしまった。話の構造を再確認するためにもう一度四部作の最初に戻って『リライト』から読み直すか謎の解明を期待して最終作『リライブ』に進もうか迷ったが先へ進もう。最終作を読んだ後にまた読み返したくなる予感。
このシリーズ読んだ人40人で静岡駅周辺の大型カラオケ店でカラオケオフとかやるといいじゃないかな。酒を頼もうとしたり歌を入れようとすると幹事に「座ってろ!」と怒鳴られるカラオケオフ。
読了日:5月30日 著者:法条遥

リアクト (ハヤカワ文庫JA)

リアクト (ハヤカワ文庫JA)

イリスの炎 グイン・サーガ 第136巻 (ハヤカワ文庫JA)

マルーク・ケイロン!
終盤の盛り上がりが凄まじく熱狂の内に読み終えた。これぞケイロニア帝国。問題は山積みだが新皇帝とグインがそれらにどのように立ち向かっていくのか先の楽しみは広がるばかり。
続編プロジェクト開始以降は物語の展開が早くて次から次に色んな事が起こるのでジャングルクルーズからスペースマウンテンに乗り換えたみたいな感じ。たいへん刺激的。
読了日:5月25日 著者:宵野ゆめ

イリスの炎―グイン・サーガ〈136〉 (ハヤカワ文庫JA)

イリスの炎―グイン・サーガ〈136〉 (ハヤカワ文庫JA)

諸星大二郎 マッドメンの世界 (文藝別冊/KAWADE夢ムック)

俺が初めてマッドメンシリーズを読んだのはたまたま読んだ月刊少年チャンピオンに載っていた「オンゴロの仮面」だった。悪霊アエンの口から通訳のクマルがぶら下がっていた絵がもうとにかく怖くて読み返せなかった。
この本は、『マッドメン』完結から30年の時を経て初めてパプアニューギニアの地に降り立った諸星大二郎の現地取材旅行リポートをメインに、本人による紀行文、現地スケッチ、描き下ろし新作漫画「波子を探して」、細野晴臣高橋留美子との対談など多彩な内容収録しており、隅から隅まで面白い。
豊田由貴夫・立教大学観光学部教授による評論「パプアニューギニアにおけるマッドメンの歴史」を読んでどひゃ〜そうだったのか!と驚いた。いやあびっくり。そうだったのか。表智之北九州市マンガミュージアム専門研究員の評論「『マッドメン』を読む」を読んで無性に読み返したくなったんだが、持ってる筈のちくま文庫から出た完全版が現在部屋の中で行方不明である。光文社の『MUD MEN 最終版』はまだ書店で買えるらしい。注文してしまおうか。
読了日:5月24日 著者:諸星大二郎

はじめのニット!(2)<完> (KCx)

あまりにあっさり終わったので最初は面食らったがこの三人の屈託のない笑顔(とその前の共犯者の微笑み)を見るとああいい関係だねとなんだかうれしくなったのだった。よっちゃんの「二条城で大政奉還したい」にくそわろた。
読了日:5月20日 著者:芦田実希

はじめのニット!(2)<完> (KCx)

はじめのニット!(2)<完> (KCx)

書店ガール 4 (PHP文芸文庫)

相変わらず面白い。この小説は俺にとって二つの効用がある。仕事での自分の至らなさに直面させられるので自分とその仕事内容を見つめ直す機会とヒントを与えてくれることと困難を乗り越えようとする主人公の姿を通して自分ももうちょっと頑張ろうというパワーを与えてくれることだ。
本作では主人公の一人である大学生が自分の進路に悩みながら「就活を考える」という就活生の参考になりそうな様々なジャンルの本を集めたフェアの企画を練り上げるのだが現実にそんなフェアをやるとしたら『書店ガール』シリーズもぜひそのラインナップに加えたい処である。
もう一人の主人公の地元として沼津市が登場してくるからこれは静岡小説でもある。続編があるのならここに登場した書店がこの先どうなるのかというのも読んでみたいと思うのだった。大田さんの初登場時は俺もなんか怪しいんじゃねえかとつい疑ってかかってしまったもので。
解説を執筆したのはドラマ「戦う!書店ガール」のプロデューサー。自分にとって本屋とはどういう場所か、『書店ガール』との出会い、ドラマに掛ける思いや描きたいことなどが書いてありドラマも楽しく見ているのでこのタイミングで製作者の考えが率直に伝わってきたのはよかった。この人選はナイス。
読了日:5月20日 著者:碧野圭

書店ガール 4 (PHP文芸文庫)

書店ガール 4 (PHP文芸文庫)

日本語の作文技術 新装版

WEB本の雑誌の碧野圭インタビューに出ていたので興味を惹かれて読んだ。

なんとなく実践していたことが例を挙げて明示されていたり考えてもいなかったことを指摘されて目から鱗が落ちたりして面白かった。特に「助詞の使い方」の章が参考になった。参考になった、と書きながらまるで実践していないのもどうかと思うがそれはそれってことで。欧米の文化や価値基準を無批判なまま自国文化に当て嵌めて後者を悪しとする「植民地型知識人」への批判がしばしば登場するのは痛快である。国際化とか言う前に足元見ようぜ。無理に背伸びすると70年前みたいになるんじゃないの。
本多勝一集』19巻の「日本語の作文技術」にはこの本には未収録の第八章(無神経な文章)、第九章(リズムと文体)、第十章(文章改良の実例として)、第十一章(作文「技術」の次に)、付録、なども収録されているそうだ。そちらも読んでみたい。
読了日:5月6日 著者:本多勝一

新装版 日本語の作文技術

新装版 日本語の作文技術

銀河鉄道999 愛蔵版 (5) C62の反乱 (GAMANGA BOOKS)

昨年11月から今年の3月にかけて出版された愛蔵版全10巻の内の第5巻。巻末に新井素子さんのエッセイが収録されているのでこの巻だけ買って読んだ。999の漫画はあまり読んでいなかったがキャラクターの目のアップや独特の間と静謐さが感じられるコマ割りや見開きで描かれる宇宙空間に松本零士の漫画ってこうだったなあと懐かしさに浸りながら読んだ。描かれる人間の滑稽さや愚かさや愛しさによって身につまされたり失ったものへの痛切な思慕の念が湧き上がったり感情を揺さぶられること甚だしい。全10巻を揃えてしまいたくなる……。
新井素子さんはアニメでは映画の999を見たそうである。俺が小学生時分の我が家では子供にゴールデンタイムのアニメを見せてくれずずいぶん悔しい思いをした記憶があるんだがなぜか999だけは母親も一緒に見ていたので覚えている話が多い。この巻に収録されている「C62の反乱」、「フィメールの思い出」、「透明海のアルテミス」(放送タイトルは「君は母のように愛せるか!!」)はアニメの場面もあの哀感漂うBGMやナレーションとともに頭の中に蘇った。
読了日:5月4日 著者:松本零士

犬とハサミは使いよう ANOTHER (ファミ通文庫)

これにて終幕。大好きなシリーズだったのでこのオールスターキャスト番外編短編集も最初から最後までケラケラ笑いながら読んだ。前にも書いた通り最高のご褒美だ。超楽しい。マキシ先生があまりにも不憫でかわいそう。いいぞもっとやれと思ったがもうシリーズ新作は読めないのねん。寂しい。
巻末には新作の予告も載っていたのでそちらを楽しみにするです。
読了日:5月3日 著者:更伊俊介

五時間目の戦争 (2) (カドカワコミックスA)

帯に浅野いにおが「不安とやすらぎが入り混じった不思議な作品。」というコメントを寄せている。死と隣合わせの極限状態の中でも日常が続く限りそこには心の平安も存在する。だがその日常の裏には……? このラストは一体どういうことだ。謎また謎。
読了日:5月3日 著者:優

ぼくたちのアニメ史 (岩波ジュニア新書)

図書館で目に付いたので借りた。アニメのスタッフとかほとんどチェックしたことがないので辻真先についてもなんかいろんなアニメで名前を見たくらいの認識しかなく(作家としては別)参加した作品もよく知らなかった。この本は自身が見たアニメ制作の黎明期から現在(2007年)までの概史である。「はじめにお断りします」の項で書いてある通り記述は主観丸出しで網羅的ではないが却ってそれだから言うことのできる当事者の貴重な証言でもある。テンポの良い語り口調に乗せられて幼い頃の記憶をくすぐられたりそうだったのかと驚いたりしながらとても面白く読んだ。エヴァに触れた箇所ではその作劇方法と自身が書いたコンバトラーVの脚本を比較し「今思えば中年太りでメタボにすぎた。/時代は超光速で変化していったのだ。」と書いておられるがあの時代のあの脚本で育った世代だからこそそこから逸脱した作劇が可能になったのではないかと強く思った。twitterでの作者のツイートを追っていると今でも旺盛な好奇心から最新のアニメや小説をチェックし続けているのが凄いと思う。小説の方を追えていないのを恥じつつ。
読了日:5月1日 著者:辻真先

ぼくたちのアニメ史 (岩波ジュニア新書)

ぼくたちのアニメ史 (岩波ジュニア新書)

2015年4月の読書記録

読んだ本の数:17冊

境界のないセカイ (1) (カドカワコミックスA)

医療技術の発展した未来 18歳以上の国民は自由意志による性別の変更が可能になった これはそんな時代を生きる若者たちの 小さな恋のものがたり

「性選択制度」が導入された日本が舞台のちょっとHなハイテンションラブコメ。単行本化中止・連載打ち切り・移籍出版とスキャンダラスな話題が先行したが話の内容は明るく楽しいのでこれをきっかけに読む人が増えてくれればいいのにと思う。四角関係(?)の行方が大いに気になる。
読了日:4月29日 著者:幾夜大黒堂

ラーメン食いてぇ! (上)・(下) (イブニングKC)

この漫画の単行本化はネットで画像を見てうまそうだと思ったラーメンが実際に丼に盛られて目の前に差し出された感じがしてうれしかった。やっと実食できた! ていう。チャーシュー二枚乗せのシンプルなラーメンをはふはふしながらすすり込む合間にチャーシューを一枚ぺろり、最後の一本まですすりきって残りのチャーシューを一枚ぱくん。スープまで一気に行っちゃうおいしさだった。うまかった! ごちそうさん
読み終わって思うのは猛烈に「ラーメン食いてぇ!」
読了日:4月28日 著者:林明輝

ラーメン食いてぇ!(上) (イブニングKC)

ラーメン食いてぇ!(上) (イブニングKC)

ラーメン食いてぇ!(下) (イブニングKC)

ラーメン食いてぇ!(下) (イブニングKC)

西遊妖猿伝 西域篇 (6) (モーニングKC)

忘れた頃に西遊妖猿伝。アクションシーンの連続で楽しかった。巻末に収録された西遊妖猿伝異聞『逆旅奇談』もよかった。名前を呼んだ瞬間えっ!?と驚いた。次からはいよいよ「火焔山の章」となる予定だと。牛魔王ですな。
読了日:4月26日 著者:諸星大二郎

清々と (3)・(4) (ヤングキングコミックス)

主人公の天真爛漫ぶりが鬼のように乙女チック((C)猫十字社)で眩いばかり。描かれた学園生活に浸るのが実に楽しかったので、ようやく続きが出たと思ったらこれで完結、というのが寂しすぎる。「田中清被害者の会」て処に笑った。主人公やその周りの彼女らの3年間に思いを馳せて思わずもらい泣きしてしまう。それにしてもいいラストだった。『清々と』ほんと好き。
読了日:4月26日 著者:谷川史子

ときめきトゥナイト 江藤望里の駆け落ち (りぼんマスコットコミックス)

お父さんとお母さんの結婚にこんなドラマがあったとは。読みながらニマニマしてしまう。あのエピソードに繋がっていたのもうれしかった。
読了日:4月26日 著者:池野恋

バビル2世 ザ・リターナー (12) (ヤングチャンピオンコミックス)

相変わらずなんか凄いことが起こってるんだがいやもう何が何やら。この先どうなるのか全く判らん。
読了日:4月24日 著者:野口賢横山光輝

ハルロック(4)<完> (モーニングKC)

これで完結。正直もっと読みたかったがちゃんとしっかりまとまってるし後味もとてもいいのでこれでいいのだろう。面白かった。電子工作は世界を変える、かも。どんどん世間ずれしていくうに先輩にわろた。願わくば彼がすんなりMITに留学できますように。
読了日:4月24日 著者:西餅

ハルロック(4)<完> (モーニング KC)

ハルロック(4)<完> (モーニング KC)

GIANT KILLING (35) (モーニング KC)

クボタンと椿のマッチアップが激熱。クボタンの顔おっかねー! そして俺らの想像を超えてくる椿最高。行け行けETU。
読了日:4月24日 著者:ツジトモ

GIANT KILLING(35) (モーニング KC)

GIANT KILLING(35) (モーニング KC)

茶柱倶楽部 (7) (芳文社コミックス)

お茶で人の心を繋ぎながらこのまま旅が続いていくのかと思いきやついに大きな進展が。一期一会という言葉の重みにハッとしたのは主人公だけではないことであるよ。フルスロットルの行動がどのように描かれるのか楽しみ。
読了日:4月17日 著者:青木幸子

茶柱倶楽部 7 (芳文社コミックス)

茶柱倶楽部 7 (芳文社コミックス)

幻魔大戦 Rebirth (1) (少年サンデーコミックススペシャル)

始まり方が『新幻魔大戦』みたいだと思った。石森・平井コンビの往年の『幻魔大戦』をRebirth(復活)させるという大変ワクワクする取り組みである。漫画版・小説版の読者にはうひゃ〜という展開もあり楽しい。どういう終わり方をするか今から楽しみだ。
読了日:4月17日 著者:石ノ森章太郎,平井和正,七月鏡一

大奥女中は見た (1) 江戸城の虜囚 (新時代小説文庫)

和泉実希さんの別ペンネームらしい。
読了日:4月16日 著者:菅沼友加里

大奥女中は見た (1) 江戸城の虜囚 (新時代小説文庫)

大奥女中は見た (1) 江戸城の虜囚 (新時代小説文庫)

ちはやふる(27) (BE LOVE KC)

太一は自分の気持にどう決着を付けるんだろうか。正面から宣戦布告するんだろうか。この懊悩の果てにみんながパワーアップ&旅に出た仲間が新たな必殺技を身につけて戻ってくるみたいな展開が待っていることを信じて。
あと[協力]に株式会社ヨックモックホールディングスと書いてあるんだが作中に出てきたっけ? と読み返してみたらちゃんと出ていた。
「ヨ…ヨックモック食べる?って……」
「ヨックモック嫌いな人いないですもんね」
ほんとそうよね。みんな大好きヨックモック*1。シガール10本パックてことは机くんはヨックモックまで買いに行ったのかな?

読了日:4月13日 著者:末次由紀

ちはやふる(27) (BE LOVE KC)

ちはやふる(27) (BE LOVE KC)

いないときに来る列車

セーラー服の女の子たちがスク水を着たりふんどし姿になったりしながら正体不明の異星人と接近遭遇したりする連作短編などを収録したコミック作品集。舞台の大半が1980年代の静岡県なので四十も半ばを過ぎた静岡県民としてはノスタルジックでほわほわした気分になる。更に内容もがっつりSFで読み応えがあった。特に掛川市周辺の人は読むといいね。(カバーを外して見てみよう!)ここいらでは本当にあんな風に稲を干すよ。
1986年の夏休みて俺は何をやってたかなあ。受験勉強をしてなかったことだけは確かだ。
読了日:4月13日 著者:粟岳高弘

いないときに来る列車

いないときに来る列車

おやこっこ 上・下巻 (イブニングKC)

きっと泣くだろうと思いつつあえて職場に持って行って昼休みに読んだら案の定泣いた。みんな泣けばいいと思う。不器用な父と息子の物語。深刻な話だが温かみのある絵柄と淡々とした語り口でじんわりと心に染み入ってくる。作者は『さよならタマちゃん』を描いた武田一義。次作が気になる漫画家さん。
読了日:4月5日 著者:武田一義

おやこっこ 上巻 (イブニングKC)

おやこっこ 上巻 (イブニングKC)

おやこっこ 下巻 (イブニングKC)

おやこっこ 下巻 (イブニングKC)

*1:ヨックモックと言えば「ひでおと素子の愛の交換日記」。

2015年3月の読書記録

読んだ本の数:10冊

009 RE:CYBORG (5) (ビッグガンガンコミックスSUPER)

あのクライマックスシーンと同じ展開となるのでしょうか。
読了日:3月31日 著者:石ノ森章太郎,神山健治

ラブラブエイリアン (2) (ニチブンコミックス)

ゲスさ爆発みんなのラブラブエイリアン。という訳で2巻が出た。めでたすぎる上にクソ面白い。
話に触発されて桜庭和志vs秋山成勲を見返したんだが今見てもふざけんなって感じ。
読了日:3月29日 著者:岡村星

ラブラブエイリアン (2) (ニチブンコミックス)

ラブラブエイリアン (2) (ニチブンコミックス)

舟を編む

実は読んでいなかった。副読本をTLで薦めた手前読まずばなるまいと読んでみた。淡々と力強い物語だった。先の展開が気になって仕方がないという類の話ではないのに読み出すとその世界から離れられなくなる。お陰で仕事には遅刻すること三度、午後の始業に気づかなかったこと一度。読み終わり装丁を見返してああそうだったのかとちょっとした衝撃を味わった。その時の情動を神聖なものへの畏敬と言うのかも知れない。
(文庫版の巻末にはまじめさんの恋文が収録されている。まあこれは確かにどう受け取ったらいいものやら反応に困るわなと思った。そして岩波書店辞典編集部の平木靖成氏による解説は愛に溢れたいい文章だった。)
読了日:3月28日 著者:三浦しをん

舟を編む

舟を編む

舟を編む (光文社文庫)

舟を編む (光文社文庫)

真紅の人

むちゃくちゃよかった。初めて読む作者さんだしその初の時代小説ということだったので多少警戒していたのだがこれが読ませる。終盤に至っては読み進む度に涙が零れ落ちるのでティッシュで涙と鼻水を拭い続けそれでも本が手放せなくなった。読了後はしばし放心状態。面白かった……。
舞台が大坂の陣なので人の死がたくさん描かれるのに却って浮き彫りにされるのは人の生そのものだ。どう死ぬかという問いはどう生きるかという問いと同義である。己の宿命と様々な人との出会いの中で懸命にもがいた主人公の姿とそれを伝える物語に気概と清々しさとそして微かな甘い痛みを覚えた。
読了日:3月24日 著者:蒲原二郎

真紅の人

真紅の人

三省堂国語辞典のひみつ

著者は『三省堂国語辞典』の編集委員。それがどういう性格の辞書でどんな魅力がありどう使えば面白いかが語られる。収録語の解説やその収集にまつわるエピソードもたくさん出てきてとても面白く読んだ。国語辞典一般についての認識も深まると思うので『舟を編む』とか好きな人は副読本にどうでしょう。
先頃TLを賑わせていてた「的を得る」は誤りか?という話が第二章「誤りと決めつけてはいけない」の第1話”「的を得る」は「うまく捉える」”に登場するんだが、「的を得る」を間違いとしている実際の例として新井素子さんの『結婚物語』からの引用があるのでその筋の人は余計に面白く読める筈。*1
この本を読むと『三省堂国語辞典』を部屋に置いときたくなるね。持ってる辞書と比べてみたくなる。今この部屋には『新明解国語辞典』第三版と『岩波国語辞典』第六版と電子辞書の『広辞苑』第五版があるけれども。
読了日:3月18日 著者:飯間浩明

三省堂国語辞典のひみつ

三省堂国語辞典のひみつ

少女時計師の奇跡的な時間線 (ネオスブックス ブロッサムサイド)

少女向けロマンスファンタジーという感じ。作者さんは菊川出身らしい。
読了日:3月16日 著者:和泉実

少女時計師の奇跡的な時間線 (ネオスブックス ブロッサムサイド)

少女時計師の奇跡的な時間線 (ネオスブックス ブロッサムサイド)

紅の凶星 グイン・サーガ 第135巻 (ハヤカワ文庫JA)

物語が動く動く。ここで、か。無念だっただろうな。そして入れ替わるように出て来るあの人の動機と背景が気になる。更に一旦退場したあの人に復活の気配? ケイロニアも大変だがパロもどうなっちゃうのっていう。第四話のラストで涙が溢れ出てきた。
読了日:3月6日 著者:五代ゆう

紅の凶星 (ハヤカワ文庫JA)

紅の凶星 (ハヤカワ文庫JA)

千年の翼、百年の夢 (ビッグコミックススペシャル)

ルーヴル美術館、人はそこに何を見るのか。偉大な芸術家の人生とその作品、果ては人間とその営為へと思いが飛びそして彷徨う。ドイツ軍の侵攻から美術品を守るための大搬出作戦に興味を惹かれた。日本人との関わりが描かれるのも良かった。これは通常版だがこっちを読んでるとオールカラーの豪華版がどうしても読みたくなる。
読了日:3月5日 著者:谷口ジロー

新装版 栞と紙魚子 (4) (Nemuki+コミックス)

すごい可笑しくて何度か声あげて笑った。キャラクターも増えて回を追うごとにノリノリになっていくのが楽しかったのに、これで終わりなのは残念。モモタローのぬいぐるみとか商品化されてないですか。あとサービス精神旺盛な弁天様がよかった。
読了日:3月5日 著者:諸星大二郎

新装版 栞と紙魚子4 (Nemuki+コミックス)

新装版 栞と紙魚子4 (Nemuki+コミックス)

麻酔科医ハナ (5) (アクションコミックス)

2年半ぶりの新刊で前の話を忘れてるっていう。医療の現場のあれこれが相変わらず興味深い。手術着をまとった時に両手を肘から曲げて胸の横に持ってきてるのは頭部と下半身の不潔さから遠ざけるためらしい。へぇ〜。
読了日:3月4日 著者:なかお白亜

麻酔科医ハナ(5) (アクションコミックス)

麻酔科医ハナ(5) (アクションコミックス)

*1:ちなみに新井素子さんは結婚した時に辞書だけで数十冊を新居に持ち込んだらしいが愛用していたのは『岩波国語辞典』それも第二版だったらしい。→ 新井素子研究会|関連文献|岩波国語辞典