井原正巳引退試合。

井原正巳引退試合をテレビで見る。
井原がJリーグで所属した横浜F・マリノスジュビロ磐田浦和レッズの3チームからの選抜チームと、井原と共に国際試合を闘った歴代日本代表選抜チームの試合である。Jリーグのオールスター戦よりも凄いメンバーが集まっており、なかなか壮観である。
気持ちよく送り出そうという雰囲気に満ちたいい試合だった。井原も名波のコーナーキックからヘディングで有終のゴールを決めた。井原のマークについていた敵チームの田中誠(磐田)が、得点後嬉しそうに微笑んでいたのが試合の雰囲気を象徴していた。

井原のことはよく知らないのである。
俺がジュビロ磐田を追っかけるようになったのが1999年。その時はすでに選手としては下り坂であった。翌年に横浜マリノスを解雇されて磐田へ移籍してきたのだが、あまりいい印象が残っていない。井原の不用意なバックパスで失点し負けた試合もあった。相手はどこだか忘れたが、怪我からの復帰第一戦だったGKの大神は、あれで磐田での選手生命を絶たれたようなものだ。
2001年には浦和に移籍。磐田戦でハイボールの処理を誤り、中山にまんまとゴールを奪われたのも鮮烈に覚えている。
ああ、いかん。全てはもう終わったことである。
去りゆくものにはエールを。お疲れ様でした。

試合後の花束贈呈に登場した時の中山雅史の寂しそうな顔が印象的だった。筑波大学の同輩なのである。先に引退していく戦友に、言葉に尽くせぬ色々な思いがあったことだろう。
数年後には必ず訪れるだろう中山の引退の時も、こんな試合をしてもらえるといいなと思う。
ダメだ、想像しただけで泣けてくる。