『ナイト・フォーク ブラック・キャット2』

久しぶりに読み返した。昔は引っかからなかったようなところで色々と思うことがある。
2月5日の日記に書いたような、山崎ひろふみの行動についての感想などもそうである。
初めて読んだ時は高校生で、「本人にまるきり悪気はないのに周りに多大な迷惑を掛けしかもそれについて反省しない人物」*1というのは正直よくわからなかった。そういう人間に会ったことがなかったからだ。
それがこの年になればそういう人で苦労した経験もそれなりな訳で。確かに困るよなあ。秋野警部には心から同情するのである。
しかし突っ込みどころは満載ながらも全体的には非常に面白くて、楽しい読書だった。最後の方なんて読みながら破顔しっぱなしである。そこで真面目に突っ込みを入れるのはなんか自分で自分が無粋なような気がしてだから俺は思考停止するのである。

「なあに、大丈夫。もし男がいなかったら、女は細胞分裂でも何でもして自分で増えますから、単細胞生物なんて見てごらんなさい。ちゃんと女だけでやってますでしょ? ああいうのから進化したんですから、万一男が絶滅すれば、きっと女は細胞分裂します」

なんの根拠も理論的裏付けもなく、堂々と自信たっぷりにこういうことを言い切れるキャットには感動すら覚える。素敵だ。

*1:チェックメイト ブラック・キャット4』ではちょっとキャラが違っている。