海原零『銀盤カレイドスコープ』vol.1 ショート・プログラム:Road to dream。

読了。新井素子が選考委員を務める集英社スーパーダッシュ新人賞の第二回大賞受賞作である。読み終わっていささか興奮している。すげぇおもしろかった。つーかまだ終わってないし。ひょっとして、これってvol.1とvol.2の2冊同時刊行だったのか? やられた。明日買いに行ってこよう。
とにかくスケーティングの描写がいい。なんか一緒に滑ってるような錯覚を起こしそうなほどのノリの良さ。フィギュアスケートってあんまり見たことないんだけど、読んでてアルベールビル五輪で銀メダルを取った時の伊藤みどりの滑りを思い出した。爽快感に溢れていて見てるこっちまで楽しくなるような演技だったんですよこれが。素晴らしい。
ちなみに、新井素子さんの選評はこんな感じ。

今回、私は、『銀盤カレイドスコープ』を大賞に推そうと思い、この選考会にのぞみました。(大賞を取ってくれて嬉しいです。)
この作品は、“面白かった”。これに、尽きます。私は、仕事で、選考委員として、この原稿を読んでいる。にもかかわらず、『銀盤』は、読むのが楽しく、ページをめくりたくなった。ただ。たった一つ、問題をあげるならば。長い。全体的に、もうちょっと整理した方がより面白くなると思います。とはいえ、期待しておりますので、次回作でも楽しませてください。

【引用】「第2回スーパーダッシュ新人賞結果発表」新井素子の選評

この作品にもスタンディング・オペーションを送ろう。