大森望、豊崎由美『文学賞メッタ斬り!』。

読了。小説は趣味程度に読むが小説業界の内幕には全くと言っていいほど疎い俺のような人間にとって非常にためになるガイド本。大森望豊崎由美が対談形式で芥川賞だの直木賞だの有名どころからあまりなじみがないものまで文学賞についてのあれこれを語っている。小説賞の選考委員も全て実名で登場しているので興味のある向きには面白く読めると思う。用語の注釈や引用元なども掲載されているのも嬉しい限り。豊崎由美のはしゃぎっぷりはある時期以降の「グイン・サーガ」あとがきを思わせて不快なのだがあれはああいう芸風ですか。
で、新井素子さんも小説家である以上、このような賞とも無縁ではないのである。無縁ではないんですよ。新井素子が受賞した文学賞についても見てみよう。

本書では「奇想天外新人賞」については雑誌自体が既に無いためか言及無し。「星雲賞」と「日本SF大賞」については解説されているものの新井素子の名前は登場してこない。
『チグリスとユーフラテス』は第12回山本周五郎賞の候補作にもなっている。賞については解説されているが新井素子の名前は登場してこない。

奇想天外SF新人賞受賞記録
http://www.asahi-net.or.jp/~fq4h-hrym/scifi/award/kt_contest.htm
星雲賞受賞作品(一覧)
http://junkyard.jp/sf/seiunsyou/seiunsyou_list1.shtml
日本SF作家クラブ日本SF大賞
http://www.sfwj.or.jp/list.html
新潮社:第12回山本周五郎賞のページ
http://www.shinchosha.co.jp/yamamotosho/012.html
この時期に「小説新潮」に移動になった編集者さんのページ
http://www.tanuki.gr.jp/st/aki.html

賞の選考過程が掲載されている「小説新潮」1999年7月号は持っていないのである。捜さねば。
他に新井素子が選考委員として携わっている「日本SF新人賞」*1と「集英社スーパーダッシュ新人賞」については、前者は言及あり。巻末特別付録「'03〜'04年版・文学賞の値うち 文学賞受賞作品を、点数で斬る!」のP.364には新井素子の名前も見える。後者については大森望による「COLUMN4 ライトノベルの賞事情」で名前が出てくるだけで考察は行われていない。まだ2回しか行われていないためか。

日本SF作家クラブ:日本SF新人賞
http://www.sfwj.or.jp/sinjin.html
集英社スーパーダッシュ小説新人賞
http://dash.shueisha.co.jp/sinjin/sd_1.html

*1:新井素子が選考委員を務めたのは第3,4回のみ。