星野之宣『宗像教授伝奇考』第四集。

読了。ゾクゾクするような面白さと緊迫感は相変わらず。「殺生石」の回に登場する原発は現実の愛知県にそれがないことから考えて、位置だけを比定すれば静岡県浜岡原子力発電所に置き換えて読むことができる。というか俺にはそう読めてしまった。俺の住んでいるここは2年前の浜岡原発冷却水漏れ事故の際、中部電力の職員が家を一軒一軒謝りに回って来るという地区なのである。テロとか現実の脅威だよ。世界貿易センタービルに飛行機が突っ込んだみたいに原発に落とされたらもう終わりだもん。マジで怖い。だからこの話は洒落にならない。
殺生石」といい「父祖の地」といい、星野之宣の歴史を見る目は冷徹である。「魔将軍」最後のページのモノローグは心に刻み込んでおこうと思う。