新井素子さんとアニメ。

ついでに発見したこと。
大塚英志の著作における新井素子さんとアニメ「ルパン三世」の関係について言及した内容に俺は不満を覚えて下記のように書いたんだが。

『愛の交換日記3』のP.60に、高校に入学したら周りに漫画やSFを読む人間がいなくて驚いた、という記述があり、続けて、

 とにかく、漫画とSFの話がつうじない環境に陥ったのは、生まれて初めてで、(小学校の時は、あたし、どっちも読んでなかったから、通じるか通じないかなんて、そもそも問題の外だったしね)これは、真剣にカルチャー・ショックでした。世の中には、漫画とSFをまるで読まない人がいる! それも――クラスの圧倒的大多数!(アニメ・ファンっていうのは、ある数いたんだけど、あたしが逆に、アニメにまったく興味がなかった)

と書かれていた。
大塚英志による、「アニメ的身体」が「新井素子によって確信犯的に小説の中に持ち込まれた」という言説は文献的な根拠に乏しく、大塚がそう認めるところの特徴が結果的に新井素子の小説内に見出せたに過ぎなくて、「確信犯的」とするならその動機はアニメではなく別に求めなければならないのではないか、という俺の感覚を裏付ける資料として上記の箇所を挙げておく。「ルパン三世」の名前が出た毎日新聞の記事は確認しなければならないが、この件については今後もう触れる必要はないだろう。