コバルトシリーズ「SF&ノンフィクションフェア」

『小説ジュニア』1980年11月号に広告が掲載されている集英社文庫コバルトシリーズのフェアである。書き出してみよう。

  • 異次元への旅――SFの本
  • 真実を考える、ノンフィクションの本。
    • ヤングラブノート『はだかの青春』●赤松光夫
    • 愛の体験ドキュメント『Good-By My Love』●藤木靖子
    • 総集編『私は13歳』●草鹿宏
    • ノンフィクションノベル『汚れちまった愛』●南英男
    • 青春をゆたかに生きるために『愛と性のセミナー』●奈良林祥
    • 『白球よ輝け!』●若桜木虔
    • 『トウキョウ ベイ・ブルース』●片岡義男
    • ザ・グルーピー『THE GROUPIE』●吹上流一郎
    • 『ジュピター』母の愛かなしくて●室田徳子
    • 『15歳 いのちの日記』●飯田公靖
      • ※他15冊。定価200円〜360円

SFのフェアが組まれてるってのも今となって考えれば凄いことだ。「SF」というのが売り文句として通用した時代の話である。SFだけで25冊のラインナップが組めるというのも驚き*1。『 』の外に書いてあるのはサブタイトルというか、コバルト本のタイトルの横に小さく書かかれているあれである。
新井素子の『いつか猫になる日まで』がラインナップされている。当時はまだコバルトからはこれ一冊しか発売されていなかった。ちなみに初版で\280である。安い。当時でもこんなに安い文庫はコバルトかあとは新潮の薄い奴しかなかったように思う。
この中で読んだことがあるのは『青いテレパシー』、『ねこひきのオルオラネ』(いい話なんすよ)、『いつか猫になる日まで』、『幽霊から愛をこめて』の4冊。ノンフィクション部門*2は全く読んでいないが、奈良林祥の名前を見ると、江口寿史『すすめ!パイレーツ』で奈良林ネタが頻繁に出てきたのを思い出す。「奈良林満次の愛と性の相談室」とか、試合中に犬井さんがラジオで奈良林祥のラジオ番組を隠れて聞いてた、とか。

*1:赤川次郎も入ってるから全てがSFかどうかは怪しい。

*2:片岡義男も入ってるから全てがノンフィクションかどうかは怪しい。それ以前に内容がダミーなものもあるんじゃないかという話も。