東浩紀『郵便的不安たち#』に収録されたエッセイ「郵便的不安たち――『存在論的、郵便的』からより遠くへ」P.65。
さらにここで僕が思い出すのは、新井素子が八〇年代の初めに書いた『ひとめあなたに…』という小説です。この小説では、一週間以内に地球が「消滅する」ことを知った主人公が、混乱のなか、恋人に会うためだけに練馬から鎌倉へとバイクを走らせます。
「練馬から鎌倉へとバイクを走らせます」の記述がダウト。作中で主人公は練馬から世田谷・目黒・新横浜・西鎌倉を経て湘南の海岸へと移動するが、バイクを走らせたのは目黒から西鎌倉までである。