図書館で本を借りる。

国民年金の未払い分を役場まで払いに行ったついでに、町立図書館を見物しに行った。何度か行ったことはあるのだが、どんな本があるのかじっくり見たことはなかったのである。新井素子さんの本がどれくらい置いてあるのか確認するのも一興だ。移動はママチャリである。田舎でこんな真っ昼間に自転車に乗ってるのはガキかジジババしかいねー。
図書館は開館してまだ2年しか経っていないから、建物自体は新しいし、バリアフリーな作りになっていて通路も広い。雑誌は俺が定期的に読んでいるものはなかったが、「Number」があるのはうれしい。数少ない文芸誌の中に「ミステリマガジン」があったのは職員の趣味か。小さい町の図書館だから蔵書は流石に少ないものの、開架コーナーはそれなり充実している。ただ、小説と文庫は少ない。子供向け文庫コーナーはコバルトとX文庫が申し訳程度に30冊ほど置いてある。その中に高野史緒『ムジカ・マキーナ』と神林長平『蒼いくちづけ』が何故かあった。フムン。基準がよく判らない。新井素子さんの本は、俺が見た限りでは文庫コーナーにも書架にも一冊も置いていなかった。絶版が多いから新しい図書館には入らないのだろうか。寂しい。
新刊コーナーを見たら夢枕獏の『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』が一、二巻とも置いてあったので、試しに借りてみようとカウンターへ持って行く。初めて借りる旨を伝えると、身分証の提示を求められた。考えてみれば当たり前のことだが、そんなものが必要だということすら忘れていた。幸いうちの近所のおばさんが勤めているので、顔パスで利用者カードを作成できた。ラッキーである。是非また利用しよう。
とうとう図書館に手を出してしまった。好きな作家の本なのに金を出して買わないというのは、何か非常にいけないことをしている気になる。金の切れ目が縁の切れ目というか。ちょっと違うな。作家だってボランティアで小説を書いているんじゃないんだから、その仕事に対して正当な対価を払わないのは申し訳ないと思っているのである。売り上げに貢献しないのは心苦しい。獏さん、ごめんなさい。
貸出期間は2週間だ。読み切れるか。