海原零『ブルー・ハイドレード〜融合〜』。

読了。『銀盤カレイドスコープ』1、2巻の衝撃的な面白さが忘れられず、作者が他にどういう作品を書けるのか興味を持って読んでみた。長い物語のプロローグとして設定資料とあらすじを読まされたような感じ。キャラクターの書き込みが浅いし、話もまだ何も始まっちゃいないのが大いに不満。文庫という形態に合わない長さの話なんじゃないか。ラストの方の潜水艦同士の戦闘シーンは面白かった。
あと文章についてだが、地の文にやたらと「……」が登場するのと思わせぶりな語り口が多くて、歯切れが悪いったらありゃしない。『銀盤カレイドスコープ』の時もそう思ったが、あれは語り手である主人公の性格設定上そういう文章を書いていたのかと思っていた。どうやらこれがこの作者の文体らしい。読んでいてけっこうイライラする。やはりこの人とは手が合わないようだ。
続きが出ても多分読まない。