つっこみ。

高千穂遙×安彦良和対談」P.162より。

高千穂 さまざまな武器を繰り出す! これしかない。しかも音声命令方式で。「なんでいちいち叫ぶんだよ」とよく聞かれるんだよね。けど、いまは、それが意外なところにもけっこう取り入れられている。たとえば昔は、力道山は「空手チョップ!」と言って空手チョップをださなかった。でも、いまの大森というレスラーは、「アックスボンバー!」と叫びながら技を出す。しかもこれが受ける。これはまさしくロボットものの影響だよ。時代はそこにきている(笑)。

高千穂遙はまだプロレスを見ていたのか。そうかそうか。で、大森が叫ぶのは事実だが、それを言ったらアックスボンバーの本家本元、ハルク・ホーガンが20年前にすでに叫んでいたじゃないか。技の名前を叫ぶレスラーは他にもおり、「ブレーンバスター!」のディック・マードックと、「サンダーファイヤー!」の大仁田厚が有名か。プロレス界では何も新しい現象ではないように思う。まあ、昔はこのアクションは馬鹿にされていたので、「時代はそこにきている」ってのはまさにそうかもしれないけど。
で、P.163の「アックスボンバー」の説明が不満なのである。

(*9)アックスボンバー ラリアットの変形技。腕を折り曲げ、インパクトの瞬間にかちあげる。曲がった腕を斧に見立てたことからこの名前がついた。大森隆男以外の使い手にはハルク・ホーガン(フリー)など。

すでに書いたがこの技は新日本プロレス参戦時にハルク・ホーガンが開発した技で*1、大森のは完全なパクリである。以外の使い手とは何だ。失礼な。またハンセン以外のラリアットの使い手は右でも左でも打つが*2、アックスボンバーはあくまでも右腕でしか出さないことに言及されていないのもポイント低し。「右腕を折り曲げ」と書いて欲しかった。

*1:スタン・ハンセンのウエスタン・ラリアットのまねじゃねーかと当時の心ないガキども(俺だ)は思ったものである。しかし、ハンセンの技は左腕だったので右腕を使い、しかもひじを曲げてちょっとアクセントをつけた処はおちゃめ。

*2:例えば、長州力のリキ・ラリアットは右腕で放つ。