図書館にて。

隣町の図書館に行ってきた。県立中央図書館ホームページの蔵書検索で調べた処、『小説中公』がここにあると出たのである。新井素子さんのエッセイ「素子の読書あらかると」が連載されていた雑誌なんで是非とも確認したかったっちゅう訳。で、カウンターで調べてもらったら、すでに処分されてしまって置いてない、とのこと。ネット上の蔵書データはすり合わせをしている最中で、昔のものがまだ残っているらしい。まあ、小さい町の図書館が10年以上前の雑誌を保存しているというのは行く前から怪しいとは思っていたのでさほど落胆はしなかったが、読めなかったのは残念である。県内の図書館で『小説中公』を所蔵している所は他にない、と検索結果は教えている。となると国会図書館ですか。
隣町の図書館に入ったのは初めてだった。文庫本の数は見た感じうちの町の図書館より多い。ちくま文庫版の小林信彦「オヨヨ」シリーズがあったので借りることにした。1作目『オヨヨ島の冒険』の巻末解説を新井素子さんが書いており、2作目『怪人オヨヨ大統領』の著者による自作解説ではその新井素子さんの解説に言及している。シリーズの刊行歴なども書いてあって参考になる。ついでに中身も読んでみようと思う。
他に小松左京が日本SF黎明期からの歴史を語った『SFへの遺言』も合わせて借りた。小松左京といえば新井素子さんのデビューに立ち会った作家であるので、新井素子さんについて何か言ってないかと思って捜してみたら、少しだけ名前が出てくる。

新井素子ちゃんは、俺はとうとうわからない。
星さんがものすごく気に入ったんだ。吉本ばななみたいなもんだな、あの人は。

この本が出版されたのは1997年。新井素子さんのデビューから20年が経っているが、それだけの年月を経ても小松左京をして「とうとうわからない」と言わしめているのはある意味凄いことなのかも知れない。「吉本ばななみたい」というのは何を言わんとしているのだろう。吉本ばななの小説を読んだことがないので対比して考えることができない。SF界の興味深い話が満載なのでじっくり読んでみようと思う。