「絶版」と「版元在庫なし」
これをどう区別するか、どうしたら確認できるのかが判らない。
例えば、新井素子さんの著作では『あたしの中の……」を考えてみる。奇想天外社版は出版社がすでに無いため絶版だと判断できる。しかしコバルト文庫版は、絶版なのか、それとも版元在庫なしなのか。
『新・魔獣狩り』9巻巻末の夢枕獏著作リストを見ていて思ったことである。このリストにはそれぞれの著作について「絶版」や「版元在庫なし」がマークされているのだ。例えば『怪男児』は単行本版が1987年6月、集英社文庫版が1988年9月に出ているが、どちらも「版元在庫なし」になっている。今まで文庫が出れば単行本は絶版になるんだろうと漠然と思っていたのだが、どうもそうではないようだ。出版事情に明るくないので、用語や本の扱い自体よく知らないのである。
夢枕獏の著作では、初期作品であるコバルト文庫から出ていた3冊の短編集、
- 『ねこひきのオルオラネ』
- 『キラキラ星のジッタ』
- 『こころほし てんとう虫』
はいずれも「絶版」。この辺の話が好きな者としてはちと寂しい。オルオラネ爺さんの話はハヤカワ文庫でまだ読めるのだろうか。