『SFが読みたい! 2005年版』。

最新版が発売された。新井素子さんの名前がどこかにあるかと捜してみたら、「ライトノベル座談会 キャラクターから作家へ」のP.39に登場している。「『ライトノベル完全読本』の背景」の章より。

――もちろん最近、急に変化が起こったわけではないですよね?

タニグチ レーベル自体は二〇〇〇年くらいから増えてきていて。

柏崎 で、いろんなレーベルが新人賞を設置したから、そこから新しい作家がどんどん出てくるようになった。いまはわりと若い才能をSFファンも求めているんだと思うけど、昔SFファンがライトノベルを読んでいたのは、「このSF作家がこんなとこで書いてる」というのが、二十年以上前にはよくあった。

タニグチ コバルトなんかはそうでしたね。新井素子とか岬兄悟とか火浦功とか。

昨年から「ライトノベル」絡みの話に新井素子さんの名前がよく出てくるが、これもその例である。
「このSF作家がこんなとこで書いてる」てのは年配のSFファンの感慨だろうか。自分のことを思い返してみると、いわゆるジュニアSF小説からSFへ流れて来たため当初からコバルト文庫は読書対象で、そのように思ったことはなかった。よく行っていた本屋でもハヤカワ文庫とコバルト文庫は同じ棚に置いてあったなあ。
あの頃から既に自分の中の中心軸はSFというジャンルではなく作家だったのかも知れない。「新井素子さんの本がこんな処から出ている」という驚きはよくあった。あの頃は本当に情報に飢えていたので、本屋で見つけたら驚喜して買ったものである。