bk1はてな:「おすすめの、ハードSFをよろしく。」

ロバート・L・フォワードの『竜の卵』が登場してこなかったのが意外だった。きっと誰かが出すだろうと思って遠慮したんだけど、『楽園の泉』と一緒に書けばよかったか。
回答には、これって「ハードSF」だっけ? と個人的に違和感のあるものも混じっている。俺は単純に「科学に比重のおかれたSF」*1という意味で使っていて、またそれがSF業界に於いては一般的な使用法だと思っていたから、回答の中に新井素子さんの『チグリスとユーフラテス』があったのには面食らった。「[内容がハード]なSF」という意味ならば確かに「ハードSF」とは言ってもいいような気もするが。
一口に「ハードSF」と言っても、この語は多様な意味で使われているようだ。例えば、内容の解釈が難しいもの、物語がハードな展開を見せるもの、SF小説の中でもSF度の高いもの(科学性が高い、というのとはちょっと違う)、というどこかに「堅さ、固さ、硬さ、難さ」を抱えたSFをそれぞれ「ハードSF」と呼ぶ人は多いのかも知れない。俺の「ハードSF」観って、実はもう過去のものなんだろうか。

*1:『SF キイ・パーソン&キイ・ブック』(石原藤夫金子隆一/著,講談社現代新書/刊,ISBN:4061488155)の序文より。