喜国雅彦『本棚探偵の回想』。

図書館で借りた本。新井素子さんの連載エッセイ「読書の缶詰」の初回で紹介された本である(id:akapon:20041221#p1)。東京遠征に行く前に読み終わっていたのだが、感想を書くのを忘れていた。
前著『本棚探偵の冒険』を読んだ時と同様に古本収集家の業の深さに舌を巻く。日下三蔵氏のお宅訪問記を読み、乱雑な俺の部屋など比べ物にならないその住居環境の凄さに俺はまだまだだと妙な安堵感を得たりしたものである。しかしこの安堵感が曲者だ。一般生活者としてはこんな風になってはいけないという危機感を持つべきではなかろうか。その安堵感が後にどういう結果を生むのかは火を見るより明らかである。やばい。と自分で自分の危機感を無理やり煽り立てようとしてみるのだった。まだ『スターウルフ』エンディング曲の境地とはほど遠い俺である。
何かのコレクションに血道を上げている人なら共感すること請け合い、そうでない人も驚愕の面白本である。