『まるまる大原まり子』を読み返す。

座談会に新井素子さんが登場していたのは確認済みだったが、最初から読み返してみるとエッセイやインタビューなどにも新井素子さんの名前が出てくるのに気が付く。当時の若手SF作家が出演したNHKの「ラジオヤングマガジン」の様子がエッセイで判ったり、色々興味深い記事が出てくるものである。小松左京から、そんなに結婚したいならいっそ二人で結婚しちゃえばと言われた新井素子さんが、結婚相手が月給取りでボーナスがあることに拘るのはなぜだろう、とか。『ひとめあなたに…』の由利子さんみたいに形から入るタイプとも思えないんだが。
読み返して思ったのは、とり・みきの描いた『銀河ネットワークで歌を歌ったクジラ』の漫画版はやっぱり傑作だなあということと、岬兄悟火浦功大原まり子が参加した座談会での岬と大原の会話は、やがて二人が結婚することを念頭に置いて読むと実に含蓄に富んだものであるなあということ。