『S-Fマガジン』2005年6月号。

本日購入。「SF BOOK SCOPE」内の柏崎玲央奈のページ(「ライトノベル」担当)に新井素子さんの名前があったのでメモ。淺沼広太の新作『ぼくたちには野菜が足りない 畑に関するLesson1:それ絶対植えてみよう!』(集英社スーパーダッシュ文庫)を紹介する文章である。

鍬が光るという無意味な農力を持っている上原一馬は、農業バカ……農業を愛する一途な高校生。農家の嫁を見つけるという使命を抱いている。その少年が畑仕事をしているところに、緑の髪を持つ、自称宇宙人の少女が落ちてきた!

いわゆる空から女の子が降ってきて拾った少年と恋に落ちる……という”落ちもの”のパロディになっている。落ちてきた少女コペルの真の目的と農力のひみつが絡み合い、SFのフォーマットはしっかり踏んでいる。新井素子グリーン・レクイエムは、著者の年齢からいって関係ないんだろうな。

関係あるかないかは知らないが、「緑の髪の少女」と来れば連想するのはやはり『グリーン・レクイエム』の三沢明日香ですな。
ちなみに「緑の髪の少年」と来れば連想するのはやはり『海のトリトン』のトリトンですな。
他に目に付いた点。
この号では「《グイン・サーガ》100巻達成記念特集」が組まれており、外伝「鏡の国の戦士」第2話「闇の女王」150枚一緒掲載と栗本薫インタビュウを読むことができる。外伝は『七人の魔道師』の後の話ということでなかなか驚きの展開。アニメ化決定のニュースがあり、またインタビューではこれからの「グイン・サーガ」の展望が語られていたりする。

ただ、正確な折り返し地点よりは、どのみち少し先に来ていると思います。『七人の魔道師』(外伝第一巻)まで、あと二十巻くらいかな?

まだそんなにかかるのかという慨嘆よりも、到達距離が朧気に見えたことによる安堵感の方が大きい。あと20冊読めばあそこまで行くのか。
『魔界水滸伝』との繋がりもより明らかになっているらしい。そっちは途中で読むの止めちゃったから知らなかったけど、共通の固有名詞が多数登場してきているようだ。図書館に置いてあったら読んでみるかなあ。