桜坂洋『よくわかる現代魔法 TMTOWTDI たったひとつじゃない冴えたやり方』。

第一部のクライマックスということで最後に何らかのカタルシスが味わえるのではないかと期待していたのだが、そんなものはなく割とあっさりと終わってしまった印象である。史上最強の魔女があれしきのことで翻意するのは説得力に乏しいと思う。それにこよみにももっと活躍してほしかったのである。ちと不満を感じつつ、でもまあこよみがそこに存在することで発生するほんわかとした雰囲気はこの物語に合っていて、これはこれでいいのかもと思ったりした。
気になるのは、第一部完と言いながら結局正体不明のままだった黒服の男の存在など回収されていない伏線の存在である。続きはどうなるのだろうと思っていたら、『S-Fマガジン』のインタビューに7月に第6巻が出ると書いてあった。第二部になるか第一部の途中の話になるかは未定とのことである。出たらまた読んでみるか。