大槻ケンヂ『わたくしだから改』。

読了。図書館で借りたエッセイ集。単行本版の『わたくしだから』は以前買って読んだのだが、大幅に加筆訂正された上に追加分があるというので読んでみた。ほぼ別の本という印象である。追加分の「パイパニック! 乳房で見る映画論」は着眼点といい文章といい秀逸すぎる。かつてここまで男の心をがっちりと掴んで離さない映画論があっただろうか。いやない。大槻以外にやる人間がいるのかという話は置いといて、全男性映画ファンは須く読むべし。
この本にもまた谷山浩子ネタが出て来た。チェックしながら読んでいた訳ではないのだが、一度気になるとその後ずっと気になって仕方がないのである。「一枚のビラから何を得るか、だ」というエッセイで、電話ボックスに貼られたホテトルビラのメニューの中に「カントリーガール」という区分の女性たちが在籍していることを発見した大槻が感嘆して。

カントリーガール! まだ生きていたのかその言葉。カントリーガール!! やっぱりジョン・デンバーとか聞いてるんだろうか? オーバーオール着てジャガ芋作っとるんだろうなきっと。
平成の今、谷山浩子以外は滅多に口にすることはないであろう「カントリーガール」を四名も常駐させているとは日の本食堂もやる。

カントリーガール」と聞いてすぐ谷山浩子が出て来るのが通である。お前昔「コッキーポップ」とか聞いてただろと突っ込まずにはおれない訳だが、大槻に対してまた奇妙な同族意識が高まるのであった。
あと平井和正の息子と高校で同じクラスだったというのは覚えておこう。『六神合体ゴッドマーズ』で盛り上がっていたクラスメートの話は大槻の「オールナイトニッポン」で聞いたことがある。それが平井和正Jr.のことだったとは驚きである。その妹はローディスト新井素子ファンだったし不思議ではないが。