大槻ケンヂ『大槻ケンヂの読みだおれ』。

読了。ずっと以前に買ったあった本。なんか大槻の本が続いたので勢いづいてまだ読んでいなかったこの本も読んでみた。
昔話風エッセイが多く今までに何度も読んだネタがまた出て来るので切れ味としてはいまいち。しかし昔のテレビ番組に関する話題では思わずツボを突かれてしまった。例えば「テレビ・キルド・テレビスター」の第4回「キューティハニー」。大槻がそのエロさについて感慨を漏らしているのである。そう、ガキだった俺や友人の間でも「ハニー」は今で言う処のアダルトビデオ並みの扱いだった。当時は毎年夏休みになると何故か「キューティハニー」が再放送され、それを見るために仲間数人で示し合わせてプールをさぼり、部屋を閉め切って声を潜めながら画面を食い入るように見つめていたものである。何か「いけないこと」をしているようなあの感じ。その思い出が鮮烈に蘇る。同じ意味で第3回「ルパン三世」で語られる衝撃も「おお、そうだぜ大槻!」と思いっきり共感を覚えたものである。あの第一回はエロかった。
しかし第8回「人造人間キカイダー」はいただけねーなー。『人造人間キカイダー』と『キカイダー01』を混同している上に、志穂美悦子の話題にひと言たりとも触れてもいないのはがっかりである。千葉ちゃんの弟子で「女必殺拳」で主役を張った彼女がビジンダーを演じていたことを大槻は知らなかったのか?
他には薬師丸ひろ子にぞっこんだった時代のことを綴った「よくしまるひろ子のセーラー服と一晩中」が面白かった。

僕たちは本当によく闘った。

この言葉には素直にうなずいてしまうのであった。