親善試合、対レアルマドリードC.F.戦。
レアル・マドリー戦と言えば思い出すのは中止になった第二回世界クラブ選手権である。ジュビロ磐田がアジア王者として出場することが決まっていた2001年のこの大会で、磐田はレアルと同組に入っていたのであったが、運営会社が破産したため直前になって中止になってしまったのである。全盛期を迎えていたジュビロ磐田の力がどこまで世界に通用するのか激しく期待していただけに、なんともガックリきたものだった。
その2001年の無念さを今日の試合で晴らしてくれ、などと試合前は暗い情念をたぎらせていたのだ。それがいざ始まってみれば、しばし勝負を忘れるほどテレビの画面に見入ってしまった。それほど面白い試合だったのである。特に前半はミスも少なく、お互いが良い所を出し合って得点を決めるというどちらのファンにとっても溜飲が下がるシーンが多々見られた。前田遼一とカレン・ロバート、そして成岡翔の三人でレアルの守備陣を切り裂いた得点は見事の一言に尽きる。結局磐田の得点はその一点のみで、惜しいシュートは放ったものの精度を欠いた前田とカレンには反省を促したい処。しかし親善試合ならではの楽しさ――福西の華麗なドリブル、ロベルト・カルロスに果敢に仕掛けた太田、サルガドに果敢に仕掛けた村井、中盤で高い守備力を発揮した服部、フィーゴを封じた鈴木秀人、ロナウドにPKを献上した茶野、など――に溢れたいい試合だったと思う。負けたのは悔しいけどね。
これで日本代表組はチームを離脱し、再び代表合宿に合流する。チームは今週の土曜日に今度はFCバイエルンミュンヘンとの親善試合である。選手は休む暇もない。今度の試合は若手が試される場になるだろうと思われるので、今日の試合で目立った活躍ができなかった船谷と、ロナウドにぶっちぎられてゴールを許した大井は大いにアピールしてくれることを期待する。