C・S・ルイス『馬と少年』。

読了。『ナルニア国ものがたり』の第五巻である。原題が”THE HORSE AND HIS BOY”で、”馬と馬の少年”とはどういう訳だと訝りながら読んでみれば、そうだナルニアでは馬も知能があり言葉をしゃべるんだという単純な事実に気が付くのであった。しっかりしていない少年では馬の所有格なのも仕方がない。と思いきや、途中で少年シャスタが見せた勇気には読んでいる俺も「今まで侮ってすまなんだ」と驚くばかりなのであった。馬のブレーが”HIS BOY”に恥じ入るのも無理はない。
この巻ではナルニアの隣国カロールメンの様子が描かれており、いかにも敵役な人々が登場してくるのが面白い。最終巻では戦争になるそうだが、狡猾で武断的な国柄を考えるといささか難敵に思われる。ナルニアはどのように闘うのだろうか。それは最終巻でのお楽しみである。
次は第六巻『魔術師のおい』を読む。