菊地秀行『魔界行』の続編が出た。

グイン・サーガ』の最新刊を買いに行った本屋で見つけた。一瞬我が目を疑ったが、確かに『新・魔界行』と表紙に印刷されている。なんと。この驚きがわかってもらえるだろうか。
1980年代半ば、出版界に巻き起こった伝奇バイオレンス小説ブームにおいて、『魔界行』は夢枕獏の『魔獣狩り』とともにその火付け役となった作品だった。ソノラマ文庫の菊地作品に比べて何か吹っ切れたように暴力描写や濡れ場が過激になり、どうしちゃったんだろと思いながらも滅法面白いので喜々として読んでいたことを覚えている。それが伏線を放置したまま全3巻で終了してしまったのだ。物語として決着は付いているものの、その次を期待せずにはおれない終わり方だった。なのに続編は一向に出版される気配がない。大学を卒業し菊地作品を追っかけるのはやめた後も、そのことはずっと気掛かりだったのである。
調べてみると『魔界行』全3巻が出版されたのは1985年、俺が高校2年生の時だ。実に20年ぶりの続編である。現在『小説NON』で連載中らしく、帯には第2巻と第3巻の発売予定まで書いてある。朗報だ。
思わず買ってしまったので、なるべく早い内に読みたいと思う。