夢枕獏『獅子の門』雲竜編。

読了。書店にて購入。『獅子の門』の最新刊である。自ら望んで闘いの場に身を投じた若者たちの争闘がねちっこく更にねちっこく描かれる。俺にできるのはその文章のリズムに身を任せ彼らの想いを追体験することのみ。1時間で読んだ。近年にない速度である。
あとがきに掲載された宮沢賢治の詩が良かった。この何年も宮沢賢治の詩集を手にとってもいないのだが今だから判る心情というのが紛れもなく存在することに気が付いた。ついでに夢枕獏の『上弦の月を喰べる獅子』のことなども思い出し、賢治の詩を再発見したようにああこういうことであったかと思ったことなどもまた少々。
面白かった。