佐々木敏『中途採用捜査官 SAT、突入せよ!』。

読了。図書館で借りた本。前作が面白かったので*1続編を読んでみた。犯人たちの行動の動機付けが不可解だったり展開が行き当たりばったりだったりで首を傾げることが多かった。この辺りの欠点は処女作と同じである。細部の設定にはこだわるのに物語作りの詰めが甘いという印象。それでもさくさく読めるのは前作と同じだが、こちらは途中で飽きが来た。
著者紹介にこのように書いてあった。

NHK「週刊ブックレビュー」で讃された前作『中途採用捜査官@ネット上の密室』からは作風を大きく変えたが、ITや政治、経済の知識を駆使してリアリティを追求する手法は従来通りで、本作も徹底した警察取材に基づいて執筆している。

「笑」には原文では傍点が付いている。「週刊ブックレビュー」で前作を紹介したのは新井素子さんであるが(素研:「週刊ブックレビュー」第622号)、わざわざ番組名まで出して褒められたことを誇示する姿勢にドン引きする。
あと、この人の著者紹介には必ず「スハルト体制の崩壊」とW杯日韓大会での韓国対ポルトガル戦の「誤審」を的中させたという件が書いてあるのだが、このような予測を誇る場合に重要なのは、何を的中させたかという内容よりも、どれだけ的中させたかという確率であるのは言うまでもない。100件予測した内の2件だけ的中ではお話にならない。次の本からは的中率も併記するとよいと思う。

*1:id:akapon:20051227