小松左京『首都消失』。

古本市場で文庫を購入。映画があまりにもつまらないので却って興味を惹かれ読んでみた。もし突然東京一円が正体不明の雲に覆われ連絡が途絶してしまったら……を綿密にシミュレートして書き起こした大作。人間ドラマよりその状況の経過を描くことに主眼が置かれているのが映画と大きく違う処である。ベタなドラマよりこちらの方が非常事態に置かれた人々の緊迫感が伝わってきて好みだ。