新城カズマ『ライトノベル「超」入門』。

読了。書店にて購入した本。ざっと斜め読みしたところでは、1990年をライトノベル元年と位置づけていたり少女小説絡みの記載がないようだったので新井素子さんの名前は出てこないのだろうと思っていたら、P.193に登場していた。瓢箪から駒だ。「第2章 ライトノベルを読んでみよう」の「著者あとがきは、必ず読もう」の項。

ライトノベルには、たいてい「あとがき」がついています。そしてそれは、非ライトノベルに比べて、読者に近い立ち位置から書かれることが多いです。なので、本当に時間がない場合は、とにかくあとがきだけ立ち読みしてくれてもいいぐらいです。できれば買ってほしいですけどね、もちろん。
多くの場合、ライトノベルのあとがきは凝っていて、面白くて、作者の人となりがよくあらわれています。同時代性、と呼んでもいいでしょう。
ライトノベルよりも敷居が低くって、堅苦しくなくって、君たち読者が面白いと思うようにがんばって書いてます、という雰囲気。それがよく伝わってくるんですね。この文化は、新井素子とか橋本治あたりから発生・定着したのではないかと思います。読者との距離の近さ、年齢的な近さを見せる、という技法です。

新井素子さんの名前が出るならその先達として平井和正の名前が挙がっていてもいいと思う。平井和正ライトノベルの元祖と位置づける説もあるようだが、凝ったあとがきを書くという点においてもライトノベル的である。