小松左京『SF魂』。

読了。書店にて購入した本。小松左京が語る自身の半生記である。その旺盛な探求心と行動力にはほとほと感心させられる。「ブルドーザー」とはよく言ったものだ。この本ではそんな著者の日本観、生命観、SF観が忌憚無く語られている。現在進行形で続くそれらの興味のあり方に思わず畏敬の念が湧く。興味深かったし面白かった。
映画『さよならジュピター』についてはこう書いてあった。

あれだけ準備に費やした割には、確かに興行成績は東宝が満足するものではなかった。でも僕としては、やれるだけのことはやったと思うし、映画の出来にも七五%くらいは満足している。

もっと大人のドラマを描きたかったということと宇宙が明るすぎたというのが不満点だそうだ。つい最近映画を見てあまり評価していない立場からするともっと突っ込んで話を聞きたいものだと思ってしまうが、まあ過ぎた話ではあり今さらって感じか。