アサウラ『黄色い花の紅』。

読了。bk1にて購入した本。第5回スーパーダッシュ小説新人賞の大賞受賞作である。ぐいぐい読ませるし後半の主人公の人物描写には感情移入したし話はよくできているし面白かった。しかしうまくまとまりすぎていてちと物足りないと言ったら怒られるだろうか。個人的にあまり心の琴線に触れるものがなかったのである。
新井素子さんの選評は下記の通り。

『黄色い花の紅』は、「これが書きたい!」という作者の気持ちが、ストレートに伝わってきて、迫力と情熱で大賞をもぎとった。また、後半のヒロインの造形が、とてもよい。お人形でしかなかった彼女が、人間になってゆくあたり、ほんとに素敵。ただ、文章には非常に難がある。今後の精進に期待したい。

後半のヒロインの造形がの件は同感。難があると指摘された文章が改稿されたのかどうかは気になる処。練れていないという印象はあるが読みづらいと言う程ではなかった。