『スターログ』1981年1月号。
オークションで落札した雑誌。新井素子さんが「頑張れSF! ガンバレSF作家志望の女の子」というエッセイを書いている。『スターウォーズ』がブームになっても一向にSFとは何かを上手く説明することができない自分についての徒労感に充ちた文章である。『スターウォーズ』のおかげで世はSFブームとばかりにわきかえっていたものの「ブーム」は名ばかりでまだまだSFは市民権を得ていない時代の話なのだった(その後も市民権を得たかどうかは怪しいもんだが)。読んでいて面白いなと思ったのは、まだ新井素子さんに自分が作家であるという意識が見られないことである。自分のことを「SF作家志望」と書いている。この時点でまだ三冊*1しか著書はないとは言え、ずいぶん控えめなのだなあと感じた。で、タイトルの「SF作家志望の女の子」とはてっきりその他大勢の女性SF作家志望者のことで、その人達に向けた励ましのメッセージが書かれているのかと思っていたらそうではなく、実は自分を励ます文章だったという次第。
*1:『あたしの中の……』『いつか猫になる日まで』『グリーン・レクイエム』の三冊