日下三蔵『日本SF全集・総解説』。

22日に発売された本。架空のSF全集の解説をまとめて一冊にしたという体裁が取られている。ちょびっと目を通しただけなのだが、SF小説ガイドとしてもとても役に立つ好著だ。各作家の著作リストが便利なことこの上なし。このリストだけでも大変な労作である。同じ年の人間がこういう立派な仕事をしているのを見ると勇気づけられる一方で俺は何故こんななんだろうかと少し落ち込んだりもしたりして。
新井素子さんの作品は[第3期]の第1巻に収録される。解説はP.186-193に掲載。『S-Fマガジン』連載分に加筆されていて、ちゃんと最新作の『ちいさなおはなし』までフォローしている処が凄い。(同時期の発売となった『グリーン・レクイエム緑幻想』の表紙まで掲載されている)
「編集後記」を読むと、来年出版芸術社からSF作家約80人の作品を一挙に収録したアンソロジー日本SF全集』(全6巻)が刊行されるらしい。当然新井素子さんの作品も収録されると思われる。それがどの作品であるかは現在の処不明だが、楽しみである。チェックを怠らないようにしなければ。