『SFが読みたい!』2008年版。

うちの店にはなぜか入荷せずamazonで購入。
国内篇のベストで『星新一 一〇〇一話をつくった人』がノンフィクションであるにも拘わらず第4位に入っている。これは新井素子さん的にも意味のある出来事であろう。2007年は没後十年の節目ということもあり、星新一が大注目を集めた年であった。各種イベントで新井素子さんがゲストとして呼ばれ、星新一について語っておられた。この本の中にも愛弟子として新井素子さんの談話が登場してくる。積極的な再評価の機運のただ中に新井素子さんもいらっしゃる訳である。名誉なことと言えるのではないか。ちなみに新井素子選の星新一選集『ほしのはじまり』は集計期間外の出版のため今年の版には登場していない。
さて、他に新井素子さんの名前が登場していないか確認してみる。
国内篇の「ランク外の注目作」(P.13)にまず登場している。

新井素子『まどのあちら側』(出版芸術社・ふしぎ文学館)は作者の代表作「グリーン・レクイエム」「ネプチューン」の他、単行本未収録作も治めた自薦集。

「自薦集」は原文のまま。
次に「このSFを読んでほしい!」(P.100-102)。SF出版各社の2008年の刊行予定が書かれたページである。出版芸術社の欄に日下三蔵編纂によるアンソロジー日本SF全集』(全六巻)が出ると書いてある。新井素子さんの短編が第3巻に収録されるそうである。作品までは書いてないのだが、何だろう。「ネプチューン」では長すぎるだろうか。この巻には他に夢枕獏神林長平谷甲州高千穂遙水見稜野阿梓の作品が収録されるそうである。また、東京創元社の欄には『ひとめあなたに…』が文庫で刊行予定とある。これは既知の情報である。さていつ出版されるのかが知りたい処。笹本祐一の『妖精作戦』四部作も復刊されるそうだ。古本だとなぜかやたらと高いから、読んだことがない人はこれを待つといいかも知れない。
あとは「特別企画 SF最新スタンダード200徹底紹介」(P.103-143)の中の、おのうちみんが選ぶ「男たちの知らない少女たち ジェンダーSF」10冊の中に新井素子さんの『チグリスとユーフラテス』が紹介されていた。(P.118)
最後に2007年度SF関連書籍目録で、JAPANの項に『窓のあちら側』(P.189)と『ちいさなおはなし』(P.188)が、書評外作品・周辺書リストの項に『今日もいい天気』(P.169)がそれぞれリストアップされている。
以上。