『週刊碁』2008年7月21日号、7月28日号。

21日号は先週の月曜日着。28日号は本日着。新井素子さんの連載エッセイ「サルスベリがとまらない」は第89回と90回(!)。「お話の中の囲碁編」ということで、14日号までの川端康成『名人』とはがらりと趣が変わり、海外ミステリーを取り上げている。作品はジェフリー・ディーヴァーの『石の猿』。ミステリのことはよく判らないので作者の名前も聞いたことがなかったのだが、かろうじて『ボーン・コレクター』というタイトルだけは聞いたことがあった。『石の猿』はそのシリーズ物の一編らしい。検索してみたら近隣の図書館にも置いてある。こんな田舎の図書館にも『石の猿』他の作品が置いてあるくらいなのだからかなりの流行作家なのだろう。そのうちに借りて読んでみよう。
川端康成の『名人』は文庫版をやはり図書館で借りて読んだ。エンターテインメントばかり読んでいたのでたまにこういう硬いものを読むと背筋にものさしを入れられたような気分になる。新井素子さんがそうだったように囲碁が判る方が楽しめるのだろうが、全く知らなくても大した問題じゃない。希代の人間が死にゆく様を淡々と描くその静謐さに逆に作者の執念と迫力を感じた。