読売新聞2009年6月21日付朝刊。

素研の雑談掲示板でoosimayoukoさんに教えて頂いた。15面(文化面/本よみうり堂)に新井素子さんの名前が登場。読者の依頼に見合った本を著名人が紹介する「本のソムリエ」というコーナーがあって、今回の回答者の一人が新井素子ファンの有川浩なのである。

私の妻は、私の母や兄弟、つまり、義理の母や兄弟を自分の母、兄弟とは考えられないようです。同じように考えられるようにしてくれる本を教えてください。(神奈川県 会社員 38)

肉親同士の微妙な距離感を説明しつつ、その要求にはそもそも無理がある、で、ぜひご夫婦で読んで下さいとお勧めする本が新井素子さんの『結婚物語』『新婚物語』。

旦那さんと奥さんがそれぞれ「相手の家族」への間合いをぎこちなく微笑ましく探していく姿も端々に描かれています。緊張する、ちょっと恐い、でもいい関係を築きたい、そんでちょっといい婿・いい嫁と思われたい……そんな当たり前の苦悩と努力は、発表されて二十年以上経つ今でも温かな共感を呼び起こします。

なるほど、この選択はさすがだなあと感心する。しかしこのシリーズは全て版元品切れで、読むには古本屋か図書館を捜すしかない、というのが難点ではある。ちなみに「復刊ドットコム」では復刊リクエスト投票が行われているので、ご協力頂ける方は是非ともお願いします。