大森望『狂乱西葛西日記20世紀remix』。

16日の日記(id:akapon:20090916#p2)の件。本日読了。新井素子さんの名前は2ページ・3箇所に登場していた。他に今関あきよし絡みで「グリーン・レクイエム」のタイトルが登場。登場箇所をページ順に抜き書きしてみる。
まずP.172、1997年5月15日(木)の日記。『タイム・リープ あしたはきのう』の試写会の話。

クレジット見てたら、インドネシア・ロケのコーディネーターに今関夫人の名前があって、をを、あいかわらずインドネシアにハマってるのか。今関夫人も元SF者で〈SFの本〉の編集とか手伝ってた人。そもそも「グリーン・レクイエム」のとき、〈SFの本〉で今関監督インタビューに行ったのが縁で結婚するに至ったんですね。もう10年ぐらい会ってないけど。

この〈SFの本〉は第9号で、「新井素子あるいは過剰の修辞学」という特集が組まれていた。今関あきよしインタビューもその一企画。映画版「グリーン・レクイエム」は1985年に製作されたがこのインタビュー時公開の目処は立っておらず、1988年8月にようやく公開された。
次にP.214、1997年9月21日(日)の日記。東急BUNKAMURAオーチャード・ホールで行われた谷山浩子大101人コンサートの話。本文と脚注に新井素子さんの名前がある。

一時はSFファンのあいだで圧倒的人気で、SFイズムの別冊『わくわく谷山浩子』とかも出たもんですが、考えてみるとSF大会谷山浩子コンサートってやってないよね。TOKON9でトークライブはあったけど。101人コンサートは「呼ばれればどこへでも行く」がコンセプトなので、来年とか再来年の大会でどうですか。当然、綾辻行人がコーラス参加ね。それとも新井素子と20年ぶりに「待つわ」※を歌うとか(爆)。

※「待つわ」
1983年1月27日、「谷山浩子オールナイトニッポン」に新井素子がゲスト出演した折、リスナーからのリクエストに応えて「待つわ」をデュエット、”浩子と素子の「待つわ」”と呼ばれた。20年ぶりじゃなくて15年ぶりですね。

わくわく谷山浩子』には谷山浩子吾妻ひでお新井素子による座談会が収録されている、とか、TOKON9でのトークライブは2部構成で、ゲストは1部が黒田幸弘黒丸尚、2部が新井素子さんだった(→http://tkikan.sakura.ne.jp/azuma/sfcon/tokon00.html)とか、この引用部分における谷山浩子新井素子さんのシンクロ率はやたらと高い。
谷山浩子オールナイトニッポン」(1983年1月27日の内容はこちらを参照→http://yuki-lab.jp/ann/an830127.html)は「漫画家ベストテン」に何故か新井素子さんが毎週ランクインしているなど新井素子人気の高い番組であった。『待つわ』は谷山浩子の事務所の後輩(でいいのか?)である「あみん」岡村孝子加藤晴子のデュオ)のデビュー曲にして大ヒット曲。”浩子と素子の「待つわ」”はこの回を聞き逃していた俺にとっては伝説の歌で、「ザ・ベストスリー」でこの曲のタイトルが出てくるたびに悔しい思いをしていたのであった。(後に素研のサイトを立ち上げた後に聞かせて頂く機会を得ました。その節はありがとうございました。)
ちなみに、このコンサートにはid:takahashimさんも行っていたらしく、終了後に遭遇との記述あり。「登場人物索引」にも名前がありました。
最後はP.425、2000年3月3日(金)の日記。徳間三賞大藪春彦賞日本SF大賞、日本SF新人賞)の授賞式の話。

18時からは徳間文芸三賞の授賞式。要するに大藪春彦賞日本SF大賞と日本SF新人賞。受賞作は順に、福井晴敏亡国のイージス』、新井素子『チグリスとユーフラテス』三雲岳斗『M.G.H』。

会場には当然新井素子さんもいらしていたはずだが、それに関する記述は一切なし。
巻末の「登場人物索引」は、

※日記本文中に実際に登場する主な人物を収録しました。

と注記されている通り、その場にいたことが明記されている人物のみが書かれているようで、新井素子さんの名前はない。