昨年開催された第1回天竜文学賞に有川浩の『レインツリーの国』が選ばれたのである。
第1回「高校生が選ぶ天竜文学賞」授賞式が24日、浜松市天竜区春野町の春野高校研修施設・立志館であった。受賞した作家の有川浩(ひろ)さんからは出版社を通してサイン入りの新刊本と色紙が寄せられ、生徒らは大喜び。主催した北遠高校生読書アクション実行委員会では、天竜スギを使用した特製の賞状を有川さんに届ける。
中日新聞:【静岡】春野で高校生が選ぶ天竜文学賞授賞式 有川浩さんからの贈り物に生徒笑顔
天竜文学賞は、天竜区内の高校生に読書への興味を持ってもらおうと創設した。区内4高校のうち二俣、天竜林業、春野の4高校で実行委員会を組織。すでに環境教育の中で独自に生命科学系の読書推進活動をしている佐久間高は、今回は参加を見合わせた。
二俣高を中心に各校の図書担当教諭が高校生に読んでもらいたい本を選出。「神去なあなあ日常」(三浦しをん)、「るり姉」(椰月美智子)、「黄色い目の魚」(佐藤多佳子)、「レインツリーの国」(有川浩)、「檸檬のころ」(豊島ミホ)の5冊をノミネートした。3校の選考委員の生徒30人は夏休みを中心に5冊を読み、最終選考会で有川さんの「レインツリーの国」(2006年)を受賞作に選んだ。
授賞式で二俣高の鴻野元希校長は「この活動をみなさんが本物に出会う機会としてほしい。本を読むことを習慣にしてください」とあいさつ、有川さんから寄せられた新刊「三匹のおっさん」のサイン本と色紙の3セットを3校選考委員の代表に手渡した。色紙には「倒れるときは前のめり」のメッセージが書かれている。
続いて生徒の代表3人が前に出て受賞作の一節を朗読。静岡に活動拠点を持つピアニストの吉田イツコさんがボランティアでミニコンサートを開いたり、先生による現代詩の朗読もあって生徒らはひとときを楽しんだ。(間渕文隆)
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高校生の取り組みとしてとても面白い企画だと思う。先生方もよく知恵をひねり出したものだ。*1
で、昨年12月25日に上記報道があって以来、有川サイドから何か反応はあるかな〜と気にしていたら、昨日の【有川日記】で「天竜文学賞」について書かれていた。喜んでおられるようで、早速受賞歴にこの賞を加えてくれるように管理人さんに依頼するという男前な対応が書いてあり、この文章を読めば選出した生徒さんたちもホッとするんじゃないだろうか、と思った。自分たちの活動に対して色よい反応が返ってくるのはうれしいよねえ、きっと。
杉で作られた表彰状がかっこいいのである。俺は東遠の高校だったんで北遠のことはよく知らないんだけれど、製作したのは天竜林業の生徒さんなのかな。この杉が「天竜杉」というやつで、天竜川上流の森林地域から切り出された良質な木材のことを言う、というのは先頃家に届いたジュビロ磐田サポーターズマガジン第85号の記事からの受け売りである。
サポマガが入っていた封筒には、この天竜杉の間伐材で作った割り箸が同封されていた。包装紙にはこのように書いてある。
サポーターズクラブのみなさまへ感謝を込めて
環境を守る木を大切に 天竜杉
割り箸てエコ重視の最近の風潮に反するような存在かと、恥ずかしながら何の疑いもなく思ってたんだが、一概にそうでもないらしい。現在、森林保全の観点からは間引いた木の放置も問題視されており、その木材の有効な活用方法として地域の企業や市民グループなど様々な団体が製作を支援しているんだと。割り箸が森林資源の保護に役立っているという側面があるんだそうだ。*2
ジュビロ磐田選手会も、地域貢献の一環としてMOMの賞金の一部を積み立ててこうした活動にも参加しており、サポマガには手作業でこの割り箸の封入をする選手たちの写真が掲載されていた。なるほど、割り箸は百害あって一利無しという存在ではないんだな、ということをサポマガで初めて知ったという次第。いわゆる「環境問題」にはほとんど関心がないんだが、新たな視点を教えてもらってちょっとよかったかなと思った。
興味のある対象の周りで天竜杉の話題が二つ続き、うれしくなったので書いてみた。