『狐と踊れ』[新版]の巻末解説に新井素子さんの名前が登場していた。

今年の4月に神林長平の処女短編集『狐と踊れ』の新版が出たのである。旧版から「敵は海賊」を外し*1、新たに『小説推理』に掲載された未収録作を4編収録している。ファンはもう買うしかない、という趣。
で、巻末に飯田一史による解説が収録されているのだが、神林がデビューした70年代末のSF界概況を述べる下りで新井素子さんの名前が出て来る。P.384-385より。

五三年生まれの栗本薫中島梓は七六年から商業誌で活躍しはじめ七九年には日本で商業的に成功した前例がほとんどなかった本格ヒロイック・ファンタジーをはじめることになる――『グイン・サーガ』である。七七年には高千穂遙(五一年生)が「クラッシャージョウ」シリーズの第一作め『連帯惑星ピザンの危機』で、新井素子(六〇年生)が第一回奇想天外SF新人賞で、夢枕獏(五一年生)が筒井康隆の同人誌〈ネオ・ヌル〉掲載作が〈奇想天外〉に転載されてそれぞれ商業デビューをしていた。神林、野阿と同じ七九年には岬兄悟(五四年生)が、八〇年にはハヤカワ・SFコンテストで大原まり子(五九年生)や火浦功(五六年生)、水見稜(五七年生)が登場した。
彼らは「SF第三世代」と呼ばれるクラスターを形成し、八〇年代には今岡の危惧する「過去からの遺産に依存」しているという感覚を払拭していくことになる。

ここに出てくるSF作家の中で一番年下なのが新井素子さん。同じ年にデビューした高千穂遙夢枕獏とも9つ離れている。

狐と踊れ (ハヤカワ文庫JA)

狐と踊れ (ハヤカワ文庫JA)