8/25に五反田文化センターでプラネタリウム番組「未来はボクらがつくるんだ!」を見てきた。

『未来はボクらがつくるんだ! 22世紀のものがたり』は、日本SF作家クラブ創立50周年を記念して制作されたプラネタリウム番組である。日本SF作家クラブが全面協力しているので、キャラクター原案:萩尾望都・メカデザイン:加藤直之、原案:新井素子他豪華作家陣、とスタッフにはすごい方々が名を連ねている。

企画に携わった鹿児島市立科学館では今年4月〜6月に投映され、新井素子さんのトークイベントもあったりしたのだが、お金と時間の余裕がなくて行くことができなかった。東京の五反田文化センターで投映されることが決定してこれでようやく見ることができると25日の日曜日に見に行くことにした。事前にネットで調べると、チケットは朝9時から発売されると書いてある。まさか早々と売り切れるなんてことはないだろうと思いつつも、しかし意を決して上京したのにもし万が一のことがあったらと心配になったので、9時に間に合うように新幹線を奮発した。
五反田と言えばゴティンダである。(意味不明)
9時ちょい前に五反田文化センター着。駅から徒歩約10分。迷いはしなかったが、道が入り組んでいて判りにくく、結果的に大回りしてしまった。徒歩で行く場合、桜田通りを西五反田1丁目交差点を渡って右折→山手通りを城南信用金庫本店手前で左折→首都高下の道路にぶつかったら近くの横断歩道を渡る、というのが最短ルートだと思われる。

道なりに行くと階段がまずあって、そっちが入口かと思って上がっていったら図書室だったので面食らう。入口は階段の向こうにあった。ロビーは閑散としてる。受付でチケット販売について尋ねたら、すぐ横にある自販機で9時から発券開始とのこと。モニターに1回目、2回目、3回目の各指定ボタンと残席数(80席)が表示されている。9時過ぎにすぐ購入。200円也。心配は杞憂に終わった。てか買ってるの俺しかいない。あれれ。
投映は13時30から。15分前まで会場は開かないので10分前くらいに来て下さい、と言われた。3時間の余裕である。さっきの図書室で新井素子さんの本を物色。『もいちどあなたにあいたいな』、『お元気ですか』、『銀婚式物語』、『・・・・・絶句』新装版文庫があった。駅まで戻って東口のモスバーガーで朝食。いかがわしそうな界隈をうろうろした後に、暇なので星新一の父親、星一が創立した星薬科大学を見に行く。

中原街道沿いに豪勢な門があった。そこから一本道が正門まで続く。関係者以外立入禁止なので、外から中の様子を伺うと正面に立派な胸像が。どうやら星一らしい。
それから適当に2時間ばかり建て込んだ住宅地の中の細い道々を徘徊していたら上京していたNAKAさんからTELあり。合流して飯喰ってお茶した後に再び五反田文化センターへ向かう。いよいよプラネタリウムを見るのだ。この時点で自販機の残席数が47。再びあれれ。
エレベータで5Fに上がり入場。前日も見に来たNAKAさんに前の方で投映機が視界を塞がない辺りを教えてもらい陣取る。家族連れとか親子連れとかあんまりSFに縁のなさそうな方々もいらっしゃるのだが普通のプラネタリウム番組じゃなくてこれで大丈夫だろうか、とか余計な心配をしつつ、投映が始まった。プラネタリウムでこういう番組を見るのは初めてなんだけど、あんなに立体感が出るものなのねとすごく驚いた。
内容は、最初にSFや日本SF作家クラブについての説明があり、次に物語部分があり、最後に日本SF作家クラブの会員さんたちのメッセージが全天に表示される中新井素子さんの語るメッセージが流れる、という構成。新井素子ファンとしては最後メッセージを聞きながら少し感涙にむせんでしまった。なんかね、SFっていいなあと今更ながらに思ったり。物語部分は正直もっと見たかった。この番組に関するトークショーの時に、画面に出ない設定もたくさんあるので新井素子さんがノベライズをしたらどうか、という話が出ていたが、見終わった今は更に強く小説版が読みたいと思う。どこかの出版社さん出してくれないかなあ。
プラネタリウム外の壁に日本SF作家クラブ会員の寄せ書きが額に入れて飾ってあった。新井素子さんのサインもあった。日付が4月15日とあったので試写会の時のものだと思われる。萩尾望都ファンの女性三人組が萩尾氏のイラストを熱心に見ていた。中の一人は浜松から来たとのこと。その場にいたお客さん6人の内、静岡人が2人、大阪人が1人。センターの人が感心していた。呆れていたのかも知れない。
NAKAさんと再び星薬科大学を見物に行った後、一ツ橋の小学館ビルへ。漫画家さんたちの落書きが1階の壁面いっぱいに描かれていることで今話題である。外からガラス窓を見ただけだが、いろんな人が好き勝手にもう様々な絵を描いていてえらい楽しかった。中に入るための整理券配布待ち行列に並ぶNAKAさんとここで別れ、東京駅から新幹線で帰った。歩き回って疲れたが、無事に目的を果たして満足した。
「未来はボクらがつくるんだ!」なかなか面白かったし新井素子ファンは見るといいと思うんですけどどうでしょう。五反田文化センターでは9月1日(日)まで。その後は仙台市天文台で9月7日(土)、21日(土) に投映されるそうです。