最初に読んだ時は俺のツイートが馬鹿にされたのかと思い頭がカッとしてしまった。読み返してようやく理解したのは、瀬名氏が笑ったのは日本SF作家クラブの関連アカウントが俺のツイートをリツイートして瀬名批判に使用した(と氏が断定した)その姑息さだった、ということらしい。俺のツイートが笑われたのでないというのではなかった。いややっぱりそれも含めて笑われてるのか。ふむん。
私の文章の中に新井さんに対する発言があったことにわだかまりを感じていらっしゃるのかもしれません。
俺はかなり熱烈な新井素子ファンなので、そこにカチンと来たのは事実だけれども、それ故に氏に反撃したと受け取られるのは心外である。俺は元々氏の小説のファンであって、一連の氏の行動から自分なりに氏のキャラクター(パーソナリティではなく)を整理してみようと思って図式にし、また率直な感想をつぶやいてみた、というのがあのツイートだった。それが氏の感じる瀬名批判の文脈として受け取られたのは心外ではあるけれども、あのツイートだけ読めばそう受け取られても仕方がないとも感じる。それは大変申し訳ない。
でも私は「変革への高い志」はあったけど、日本SF作家クラブ50周年記念プロジェクトと、クラブの改革については、別に実現できなかったとは思っていません。自分は退会はしたけれど、それは実現への道筋だったと本心で考えていますよ。それに都合の悪いことを黙っているより、50周年の最後に際して、しっかり物事を記録しておくのは大切なことだと思います。
氏の記述や他の方々のツイートを読む限り在任中は多大な貢献はされたんだろうなと想像はできるが、それにしても退任後に氏の吐く毒が強く、また「しっかり物事を記録しておく」と言うにはあまりに愚痴っぽくないか、と思う。
で、この状況自体を野次馬的に眺める観衆が発生した。俺もその一人。最初は面白がっていたんだが、氏の文章を読むにつけだんだん気分が引いてきた。今では発言したことを後悔している。
あと、俺は大学SF研出身で新井素子研究会なんてサイトをやっているけれども、それ以外でSFの人とのお付き合いはあんまりなくて氏の言う「SFコミュニティ」というようなものには所属していない。日本SF作家クラブについては好きな作家さんが所属している団体なので影ながら応援しており、そこから漏れ聞こえてくる醜聞には胸を痛めている。
それから父のことは別に批判していません。
批判ではない、とするとあそこに書いた意図とは……。父親が判ってくれなくて悲しい、という心情を訴えたかったんだろうか。これは揶揄しているのではなくどうなのか興味がある。
世界についての違和感を表明し続けている、というのはよいご指摘で、一部の作品群ではまさにそれがテーマであるとは思います。
お褒め頂きありがとうございます。率直にうれしいです。そのテーマにも惹かれています。よいファンではないですが、新作も気が向いたら読みたいと思います。
最後に、俺は本屋に勤めているんだけれども、SFに関わる本の販売意欲や購買意欲を削ぐような発言は慎んで頂きたいと、これは切にお願いしたい。
2014年1月2日追記
過去の文章から俺が氏に対してどのように思っていたのかを晒してみる。
ブログ
- 菊川文化会館アエルで瀬名秀明講演会開催。(2009年5月25日)
- 三日間。(2009年6月24日)
静岡県立美術館の「ロボットと美術展」はいよいよ明日から。20日の瀬名秀明講演会に行くつもりなんだが、予習が間に合わんかった。でも超楽しみ。県外から来る人は東静岡ガンダムも見に行くといいと思うよ!
— 赤本譲 (@akapon) 2010年9月17日
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twilog:2010年9月20日(月)のツイート(「ロボットと美術」展と瀬名秀明講演会に行った)
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瀬名秀明の『八月の博物館』を図書館で借りて読んだらえれー面白くてガストでまた一人で泣いた。涙もろくて困る。で、これは「俺用」のラベルを貼って本棚に置かねば、と思ってネット書店を確認したらもう新刊が買えなくなっててがっかり。文庫もすぐ手に入らなくなっちゃうのが悲しい。
— 赤本譲 (@akapon) 2010年9月30日
講演会には2回行ったんだが実は小説は『パラサイト・イヴ』と『BRAIN BALLEY』しか読んだことがなくてしかもどちらもあまりピンと来なかったんでそれ以来敬遠してたんだ。認識がすっかり改まったので今買える小説を取り寄せてみよう。
— 赤本譲 (@akapon) 2010年9月30日
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介護ロボットの可能性については瀬名秀明の本にも書いてあったな。当時は現場で介護に携わる専門家には「ロボットに人間のようなきめ細かい介護ができるのか」と抵抗感が強かったみたいだけど、今はどうなんだろう。精神的・肉体的に負担がかかる家族には切実な問題だし。
— 赤本譲 (@akapon) 2010年11月6日
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同じく昨日の静岡新聞夕刊に、「静岡図書館友の会」が”静岡の100冊 私の1冊”を募集、との記事。県内出身作家の作品や県内の風景が描かれている作品が対象。期間は3月末までで10月末の静岡図書館フェスティバルで発表だと。
— 赤本譲 (@akapon) 2011年2月2日
記事中に県内出身作家として井上靖、小川国夫、瀬名秀明、鈴木光司の名前が一緒に並んでるのが楽しい。県内が舞台になってる小説は前から気になっているので結果がとても気になる。瀬名秀明の『八月の博物館』を投稿してみようか知らん。
— 赤本譲 (@akapon) 2011年2月2日
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@hsena17 少なくとも僕は読んで気持ちが揺さぶられましたし、とても参考になりました。誰のためにもならない、なんてことはないです。
— 赤本譲 (@akapon) 2011年2月12日
— 赤本譲 (@akapon) 2011年2月13日
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ドンブラコンLのプログレス・レポート第2号が届いた。前号の「静岡SF大全への招待」の内容に関して訂正文が掲載されていてよかった。……しかし「静岡SF大全」第2回で取り上げている瀬名秀明『八月の博物館』が、『八月の博物誌』て書いてあるんですけど……。
— 赤本譲 (@akapon) 2011年2月20日
「静岡出身ゲストコメント」のコーナーに瀬名秀明が登場している。静岡市の地理に明るくなく瀬名がどこだか知らないのだが、静高まで自転車で30分だと。自転車通学だったんだな。子供の頃の想い出を書いた、と『八月の博物館』にも言及している。『八月の博物館』は個人的にお気に入りなんである。
— 赤本譲 (@akapon) 2011年2月20日
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20、21日の連休に仙台文学館の瀬名秀明特集展を見に行こうと思ってたんだけども。無理だわな、これは。仙台文学館のサイトも落ちてるようだ。
— 赤本譲 (@akapon) 2011年3月12日
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「はるかな町」。瀬名秀明による短編小説。瀬名秀明は同じ年なんだけど、あの頃の静高はこうだったのか、という点も県民からは興味深い。 http://t.co/ziKFdon
— 赤本譲 (@akapon) 2011年8月28日
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瀬名秀明と同じエレベーターに乗り合わせ再び新井素子とニアミス、その後ろには藤田直哉もいた。敬称略。
— 赤本譲 (@akapon) 2011年9月4日
※新井素子さんを追いかけて日本SF大会「ドンブラコンL」の会場へ。→http://twilog.org/akapon/date-110904
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@hrssm 現日本SF作家クラブ会長の瀬名秀明がコメンテーターとして出演してたんだけど、完全アウェイの中なのに、番組内で批判された研究者がどういう立場にいたか、とか、これからSFに何ができるのか、を懸命に説明してて、いいぞもっとやれと思った。
— 赤本譲 (@akapon) 2011年11月25日
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静岡新聞朝刊1面で昨日から「拓く2012」というインタビュー記事の連載始まる。東日本大震災の発生を受け「新しい時代を拓く2012年、われわれは何をすべきか。各界の識者に語ってもら」う、という趣旨。第1回は作家で日本SF作家クラブ会長の瀬名秀明。小見出しは「洞察力集め復興しよう」。
— 赤本譲 (@akapon) 2012年1月4日
静岡市出身で先の震災で被災した人でもある。談話中では昨年の日本SF大賞受賞作『華竜の宮』にも言及していた。作者の上田早夕里は阪神・淡路大震災で被災した人。小松左京のことも。現状、課題、これからするべきこと、など。必読。
— 赤本譲 (@akapon) 2012年1月4日
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『インフルエンザ21世紀』を読み終わり、いろいろ考えさせられるいい本読んだ~と手応えを感じながら『3・11の未来』に収録された瀬名秀明のエッセイ「SFの無責任さについて」を読んだら、この著書に対するネガティブな述懐があって、少し悲しくなった。すぐ読んではいけなかったかも知れない。
— 赤本譲 (@akapon) 2012年1月19日
個人的な感傷はさておいて、『インフルエンザ21世紀』(瀬名秀明/文春新書)は、災害に遭遇した時に人は、社会は何を考えどのように振る舞うべきかについて有益な示唆を与えてくれる良書である。「壊滅的なまでに売れなかった」と著者は書いているが、まだ書店で手に入る。ぜひ一読を。
— 赤本譲 (@akapon) 2012年1月19日
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SFマガジンで予定されていた瀬名秀明の新連載小説は中止になったらしい。残念。
— 赤本譲 (@akapon) 2012年1月25日
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瀬名秀明の、『SF作家 瀬名秀明が説く! さあ今から未来についてはなそう』(技術評論社)と、『大空のドロテ』1巻(双葉社)、先週末に発売されてます。帯には「日本SF作家クラブ50周年記念」と銘記、『大空のドロテ』の方には「50周年記念作品」と書いてあります。
— 赤本譲 (@akapon) 2012年10月7日
『さあ今から未来についてはなそう』の「はじめに」には、「ぼく自身はふだん、SF作家と名乗ることはない。正直なところ、自分でもSF作家だとは思っていない」と書いてあって、今でもいわゆる”プロパーSFファン”に「お前の書くものはSFではない」と叩かれたことが尾を引いているのかと思いな
— 赤本譲 (@akapon) 2012年10月7日
がらも、そんな人がSF作家クラブの会長に就任して、50周年という記念すべき節目にSFを周知するためにいろんなことを考えて実行しようとしている、という状況が面白い。瀬名秀明会長、応援してます。頑張ってください。
— 赤本譲 (@akapon) 2012年10月7日
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【SF作家 瀬名秀明が説く! さあ今から未来についてはなそう/瀬名 秀明】を読んだ本に追加 →http://t.co/I2FgLgTR #bookmeter
— 赤本譲 (@akapon) 2012年10月17日
俺が読んだ範囲では、瀬名秀明の文章は自分が世界に対してどのような違和感を抱えているかの表明を繰り返している、という印象があって、読んでいて何だか不安定な気持ちになることが多いので、第三章「空から地球文明とSFを眺めて」の4「違和を力に」の図39「違和感は、
— 赤本譲 (@akapon) 2012年10月17日
自分と社会を変える」というのを読んでなるほどなあと思ったりする訳です。不安定な気持ちのままなのは変わらないけど。東日本大震災後の現状についての言及は胸に鋭い刃を突き刺された思い。
— 赤本譲 (@akapon) 2012年10月17日
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『小説現代』2月号の瀬名秀明「絆」読み終わる。SFでしか描き得ない「絆」のヴィジョン。瀬名秀明への共感が何なのか自分でもいまいちよく判らない。「参考文献は単行本に記載します」と書いてあるが単行本化されるのか。同号掲載の神林長平「あなたの息子じゃない」も単行本化されますか。
— 赤本譲 (@akapon) 2013年2月23日
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感動した。→「私と日本SF作家クラブ」瀬名秀明(010) : エッセイ : SFWJ50 http://t.co/LLXbU4kdSp #Zenback @SFWJさんから
— 赤本譲 (@akapon) 2013年3月1日
え、瀬名会長退任だと?
— 赤本譲 (@akapon) 2013年3月1日
新井素子さんからバトンタッチした瀬名秀明会長が任期途中で退任、というのはかなりショック。日本SF作家クラブ50周年の記念事業についていろいろ話し合ったとか書かれていたのに。どういう経緯があったんだろう。あのエッセイが暗にこのことを示唆していたようにも思える。
— 赤本譲 (@akapon) 2013年3月1日
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件のエッセイは昨年5月13日に提出されたもので、九ヶ月後の2月27日に掲載され3月1日に削除されたらしい。何があったのかは判らないが、このエッセイに俺が感動したのは確かである。 http://t.co/8pbNhUUgPo
— 赤本譲 (@akapon) 2013年3月2日
日本SF作家クラブを脱退した瀬名前会長が新日本SF作家クラブを作って独自に活動を始めたら面白い。しばらくしてクラブの中心作家たちがやはり脱退して全日本SF作家クラブを結成、本家の日本SF作家クラブは徐々にジリ貧に……なんてな。
— 赤本譲 (@akapon) 2013年3月2日
内情を知らないんであんまり憶測でものを言うのもな。
— 赤本譲 (@akapon) 2013年3月2日
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『SF JACK』(角川書店)読み終わる。日本SF作家クラブ創立50周年記念の書き下ろしアンソロジー。それぞれ趣向を凝らした話が並び一編読むごとに頭の中をかき回される感覚が楽しかった。これぞSFの醍醐味だよねえ。
— 赤本譲 (@akapon) 2013年3月21日
どれもよかったんだけど、吉川良太郎「黒猫ラ・モールの歴史観と意見」、瀬名秀明「不死の市」、新井素子「あの懐かしい蝉の声は」、堀晃「宇宙縫合」、宮部みゆき「さよならの儀式」、夢枕獏「陰態の家」が特に好み。
— 赤本譲 (@akapon) 2013年3月21日
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— 赤本譲 (@akapon) 2013年12月5日
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新井素子さんの星新一賞審査員就任のことはまだブログに書いていないんだが、瀬名NEWSに興味深い記事が連続して来ておった。 2013年の終わりに際して http://t.co/nsiXzgehWx 2013年の終わりに際して(その2) http://t.co/I4dFinP9oq
— 赤本譲 (@akapon) 2013年12月29日
前会長である新井素子さんから会長就任を打診された経緯、その前会長・前事務局長と日本SF作家クラブの体質についての批判、自分がやろうとしたこと・やったこと・やれなかったこと、など。
— 赤本譲 (@akapon) 2013年12月29日
お友だちサークルを実効性の高い団体に変革しようとして挫折、とか25年くらい前にどっかの大学SF研でもありましたな。
— 赤本譲 (@akapon) 2013年12月29日
そう言えば新井素子さんが日本SF作家クラブのことを「親睦団体です」と強調しているのを何度か聞いたり見たりしたような。それなりの年輪が積み重なってそういう体質になった団体でしかも構成員の新陳代謝もないとなれば早急な改革は難しいに決まっているがどの程度勝算を見込んでいたんだろう。
— 赤本譲 (@akapon) 2013年12月29日
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瀬名秀明のキャラクターが掴めないと前に書いたが、【変革への高い志→実現できず→対象を批判】というパターンが俺が読んだ限りでは三度見られる。『インフルエンザ21世紀』から『3・11の未来』で医療従事者や研究者や自分の父親を、日本SF作家クラブ会長辞任では日本SF作家クラブを、
— 赤本譲 (@akapon) 2013年12月30日
星新一賞審査員辞任では賞関係者を。
— 赤本譲 (@akapon) 2013年12月30日
瀬名秀明の文章は自分が世界に対してどのような違和感を抱えているかの表明を繰り返している、という印象は変わらない。 https://t.co/MOrAmDtcml
— 赤本譲 (@akapon) 2013年12月30日
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昨夜寝る前にあの更新分を読んでしまいあっさり「売れなかった」とか書いてあって「売る方の身にもなってみろ」とかなり怒った。書いてる内容の一部はブーメランとなってご自身の身に突き刺さっているのではないか。俺けっこう共感してた筈なんだけど。
— 赤本譲 (@akapon) 2013年12月31日
人心が離れていく過程を我が身で体験するっていう。
— 赤本譲 (@akapon) 2013年12月31日
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瀬名NEWSの2013年12月30日の記事「2013年の終わりに際して(おしまい)」の追記を読んで、ようやく頭が冷えたので書いてみた。 http://t.co/UFSnhYtl6l
— 赤本譲 (@akapon) 2013年12月31日