2014年3月の読書日記

3月に読んだ本を読書メーターのまとめ機能を使ってここに書くのをすっかり忘れていた。手動でやったのでいつもとフォーマットがちょっと違う。月別では先月分しかまとめられないらしい。不便。忘れる方が悪いって話だが。

ねこのこはな (1) (モーニングKC)

SF作家の菊池さんとねこのこはなのお話。こはながかわいい。この上なくかわいい。破滅的に、絶望的にかわいい(新井素子的言い回し)。ゆるゆるでふわふわな雰囲気にずっぷし浸りきる。ちょっとみなさんこの漫画を読んで癒されましょうよ。
どうやら作者さんはSFがお好きらしい。サブタイトルは全部SF作品が元ネタ。第1作が「上弦の月を喰べる猫」で夢枕獏ファンの俺歓喜。収録されている9作の内5作の元ネタを読んでいた。ちなみにこはなたちが越してきたアパートの名前は「星雲荘」。星雲賞から取ったのかな? 菊池さんが周囲のSFに対する無理解に対して微妙に抵抗しているのも笑える。引越ダンボールの中の本、一つは『夏への扉』だと思うんだが隣は何だろう。なんか表紙イラストを見たことあるような気がするんだが。SFの人も読むと楽しいんじゃないかと思います。
あとカバーを外してみるのを忘れずに。かわいい。
読了日:3月1日 著者:藤沢カミヤ

ねこのこはな 1 (モーニング KC)

ねこのこはな 1 (モーニング KC)

同人少女JB (4) (アクションコミックス)

これにて完結。最後に「同人少女GT」に続くと書いてあるが連載はしてないらしい。続きがあるなら読みたい。特別寄稿の大橋シスターズは今小学館のモバマンで描いてる。大橋薫『シスター・コンプレックス!!』1巻が昨日出たばかり。
読了日:3月1日 著者:一本木蛮

同人少女JB(4) (アクションコミックス)

同人少女JB(4) (アクションコミックス)

おれは直角〈新装版〉 (6) (ビッグコミックススペシャル)

これにて完結。作品としては荒っぽいなんてもんじゃないが主人公である直角の真っ直ぐすぎる性格とひたむきさ、愚直とも思える程に人を信じる心に胸を打たれる。よくここまで描ききったものだと感心した。
読了日:3月3日 著者:小山ゆう

機動戦士ガンダム サンダーボルト (3) (ビッグコミックススペシャル)

地獄のような生と死があるだけ。そこに待つ終末とは何か。
読了日:3月3日 著者:太田垣康男

図書館戦争 LOVE&WAR (13) (花とゆめコミックス)

イメージの中の堂上が朴念仁すぎて笑った。でも違和感ないのがまた笑う。ストーリーはいよいよ山場。
読了日:3月6日 著者:弓きいろ/有川浩

図書館戦争 LOVE&WAR 13 (花とゆめCOMICS)

図書館戦争 LOVE&WAR 13 (花とゆめCOMICS)

勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。 (3)

人間と魔人は共生できるのか、という深刻な展開に戦きつつ口をバッテンにするフィノとか真っ裸で垂直発進するフィノとか冗談に冗談で応えたラウルに真顔で正論をぶっ放すフィノとかがかわいい。
読了日:3月7日 著者:森みさき/左京潤

アヤンナの美しい鳥 (メディアワークス文庫)

なんで俺こんなに泣いてるんだろう。胸が苦しい。物語の終幕と同時に魂を持って行かれてしまった感じ。なんかもう言葉になんねー。マサト真希さんの語り手としての力量はすんごく信頼していたんだけどその期待を遥かに超えるものに遭遇してしまいいささかパニックに陥っている面もある……ように思う。ある種の予兆に戦いて心の整理をしながらでないと読み進める自信がなかったので一日一章というペースで時に数日間を空けたりしてたんだけれども最後の三章は通して読んでしまった。で案の定泣いてるっていう。それにしても美しい話だと思う。語ろうとするのが無駄な抵抗だって気がしてきた。この感動を胸に抱いたままみんな家に帰ろう。
SFマガジン』4月号では書評欄「SF BOOK SCOPE」で卯月鮎氏が『アヤンナの美しい鳥』を紹介している。興味のある向きは読んでみるとよろしいかと。
読了日:3月10日 著者:マサト真希

河北新報のいちばん長い日 震災下の地元紙 (文春文庫)

気にはなりつつ読んでいなかった本をあれから3年目の文庫化を機に読んだ。震災のまっただ中にあってそれでも新聞を発行し続けた人たちがその時何を見、何を感じ、何を考え、何をしたのかを克明に追ったルポルタージュ。永遠に答えの出ない問いかけをし続けることにこそ意味があるのだきっと。
全国報道では埋もれてしまう目の前の現実をすくい上げてくれるのは地方紙なのだ。その存在意義を強く感じた。
読了日:3月17日 著者:河北新報社

オンノジ (ヤングチャンピオンコミックス)

寂しくはあるけど絶望はない。変わり果てた世界の中にもオンノジは見つかるしそしてそれは未来に繋がっていく、のかも知れない。基本ギャグマンガで笑えるんだけどふと切なくなるし泣きそうになったりもする。『バーナード嬢曰く。』があまりに面白かったのと『オンノジ』は発注を出しても出してもずっと入ってこなかったのでそんなに人気があるのかとムキになって読んでみたが、読んでよかった。施川ユウキいいねえ。「このマンガがすごい!2014」オトコ編の第9位。
読了日:3月18日 著者:施川ユウキ

日常の夏休み (角川つばさ文庫)

ホットケーキを食べないなんてそんな人はほっとけーき
やべやべ割れ目がふさがる。これ原作に映画とか作らないですか。麻衣ちゃんが出したものを大画面で見たいですよ。そしてオチわろた。で結局バラスとは何だったのか。あとある場面で漫画版『百億の昼と千億の夜』を思い出した。あと一千万部はやりすぎだと思う。横幅が1cmとして10,000,000cm=100,000m=100km。東京−熱海間くらいの距離か。やっぱりやりすぎだと思う。にやにや。
読了日:3月18日 著者:伊豆平成(文)/あらゐけいいち(原作・画)

日常の夏休み (角川つばさ文庫)

日常の夏休み (角川つばさ文庫)

西遊妖猿伝 西域篇 (5) (モーニングKC)

話は全然進まないけれども当時の社会状況とか面白い。あの辺の地理も歴史も知らないので。次は虎力大仙が出てくるのか知らん。
読了日:3月21日 著者:諸星大二郎

セカイからもっと近くに 現実から切り離された文学の諸問題

どこら辺に感心すればいいのか判らない、そもそも評論の読み方が判らないっていう問題が俺の方にあった。でもそういう作品だったっけ? と思う箇所もけっこうあった。とは言え新井素子さんの作品を知らない人がこの本を入り口に関心を持ってくれるのはうれしい。本文には登場していないけれども新井素子作品に興味を持った人は『おしまいの日』も読むといいと思う。幸い中公文庫から新装版が刊行されているし電子書籍もある。http://www.chuko.co.jp/bunko/2012/06/205656.html
隕石落下や大震災で『ひとめあなたに…』を思い出す人がいたり労働環境問題で『おしまいの日』を思い出す人がいたり少子高齢化で『チグリスとユーフラテス』を思い出す人がいたりする現実が俺にとっては興味深い。
読了日:3月21日 著者:東浩紀

獅子の門 鬼神編 (カッパ・ノベルス)

完結したなあ。第1巻の群狼編が出たのは1985年だっていうから30年この話につき合ってきたことになる。菊千代から始まった物語だが彼だけがあの場にいなかったこと、そしてラストシーンには姿があったことが感慨深い。いろいろと予測を超えた変遷を辿ったがしみじみと面白かった。外伝はいつくらいに出るんだろうか。本当に出るんだろうかという一抹の不安もあったりして。とりあえず『小説宝石』4月号に夢枕獏の『獅子の門』完結インタビューが掲載されているらしいので読んでみよう。
読了日:3月22日 著者:夢枕獏

獅子の門 鬼神編 (カッパ・ノベルス)

獅子の門 鬼神編 (カッパ・ノベルス)

勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。 (9) (富士見ファンタジア文庫)

読んでる途中でブックカバーを外して帯に「最終巻」と書いてあったかどうか確認してしまった。あとがきにやられた。これはつまりフィノが様々な苦難を乗り越えて店長に昇格し王都に燦然と輝く地域一番店を築き上げるまでを描いてくれると期待していいのですね! 超大河細腕繁盛ファンタジー。やばい。スタッフが増えて負担が減るどころか更に苦労させられるであろうラウルにとりあえずエールを送っておこう。二人の選択に拍手を。フィノの接客の様子を読むとなんか心が洗われるような気がする。お客さん目線での売り場作りて忘れがちだけど大事なことだよねえ。あとクラウド店長の大物っぷりが素敵すぎる。個人的にファンである。10巻は夏頃発売だって。楽しみ。
読了日:3月23日 著者:左京潤

勇しぶ。〜勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。〜 (2) (ヤングガンガンコミックス)

「えっちなほうの勇しぶ漫画」ていい表現だな。前にPOPに「エロしぶ」と書いたことがあるがこれじゃシャイな男子中高生は手に取らないだろとちょっと反省していたのである。「えっちなほう」と書いてみよう。シャイな元男子中高生としてはとらわれのセアラひめを救うためにラウルが要求される行為で「いけない!ルナ先生」を思い出さずにはいられない。えっちなほうの絵柄もすごい好きで特にロア先輩はいい。胸チラとか感涙にむせぶくらい。そしてこちらはアイリルートなのか!? 恋愛模様がどう描かれるのか超楽しみ。
読了日:3月23日 著者:柚木ガオ/左京潤

もやしもん (13)限定版 (講談社キャラクターズA)

読む前はまだまだ続きそうなのに終わっちゃうのかーと残念だったが登場人物それぞれの成長と変化を描きながらその後に期待を抱かせる内容のスパッとした綺麗な終わり方でとてもよかった。若い時の1年てこうして過ぎていくんだねえと感慨深い。とか言いながら自分のことは振り返ったりしないのだった。
限定版には13巻各話のネームと昔の作品を収録した344ページの大冊子が付録に付いている。単行本と読み比べると面白い。個人的には特に樹教授が日本酒のアルコール添付の効能について論陣を張る箇所が興味深かった。ネームの方がちょっとだけ過激じゃない? あとネームを無くして新たに書いたというページが一箇所紛れ込んでいるので買っていながらネームは別にいいとか言ってる人は目を皿のようにして最初から読むといいね。大冊子ではネームの間に挿入される作者と編集者二人が作品を振り返る座談会も面白かった。思い入れのある人には限定版が超おすすめ。うちの店ではもう売り切れた。見つけたら速攻で買うのが吉かも。
読了日:3月23日 著者:石川雅之

ストーリー311 (ワイドKC Kiss)

読了日:3月26日 著者:ひうらさとる,上田倫子,うめ,おかざき真里,岡本慶子,さちみりほ,新條まゆ,末次由紀,ななじ眺,東村アキコ

ストーリー311 (ワイドKC Kiss)

ストーリー311 (ワイドKC Kiss)

夜とコンクリート

惑星9の休日』がとても良かったのでもう一冊にも手を出してみた。動きのあるコマでも静謐さに満ちている不思議な感じはここにも。話からは昔を思い出すような懐かしさが立ち上ってくる。だからこそ現実に戻ったり大人になったりすることが変に悲しかったり。
読了日:3月30日 著者:町田洋

夜とコンクリート

夜とコンクリート