Jリーグ1stステージ第12節、対ジェフユナイテッド市原戦。

西紀寛の決勝ゴールに鳥肌が立った。両チームのせめぎ合いがまるで真剣でのつばぜり合いであるかのような緊迫感に満ちた一進一退の好ゲームに決着をつけたのが、西の放ったミドルシュートだった。決まった瞬間、ゴール裏はもちろん、ジュビロベンチも総立ち状態、いつもは静かなバックスタンドも総立ちで歓喜の雄叫びをあげている。俺も人目も憚らず「うおおおおおおおお!」と叫んだ。頭のてっぺんからつま先まで感動に打ち震えた。正直な話、後半40分の時点で引き分けを覚悟していたのである。こんなことがあるからサッカーを見るのは止められない。
前半。序盤から激しいプレスの掛け合い。村井のクロスからマルキーニョスに技ありのゴールを決められ0-1。川口信男と村井のマッチアップは川口の分が悪い。グラウの代わりにスタメン出場の西野泰正服部年宏からのクロスを滞空時間の長いヘディングで折り返し、前田遼一が泥臭くヘディングで決めて1-1。同点。福西崇史が受けたファールで得たゴール前のフリーキック名波浩が絶妙にゴールに叩き込み2-1。逆転。これで前半終了。
後半は、2回の決定機を外したジュビロに溜息の嵐。途中から巻と林を投入してスリートップにしたジェフに対し、ジュビロは水曜日の試合のために大事を取ったか名波を下げ菊地直哉を投入、4バックにして守備を固める。さらに西野に代えて西を投入。前田を1トップに置く4-5-1のフォーメーションだが、前田が中盤に下がってきてしまうため実質4-6-0である。守備で全く役に立たない右サイドの川口に罵声が飛ぶ。引き気味になったジュビロをジェフが攻める。巻のポストプレイから途中出場の工藤がディフェンスを完全に破り2-2。同点。これが後半32分。ジュビロベンチではさらなる守備固め要員としてMFの河村崇大を待機させていたが、同点に追いつかれたのを見た桑原監督は河村をやめ、38分、前田に代えてついに中山雅史を投入する。ひときわ盛り上がる場内。中山の投入で前線からのプレスが効き始める。後半41分、ドリブルで中央に切れ込んだ西が強烈なミドルシュートを決める。逆転! 45分経過、ロスタイムは4分。長い。ジュビロベンチでは控え選手や交代した選手が総立ちで声を上げている。ジェフの選手が蹴ったボールがゴール脇すれすれを転がっていく。心臓に悪い。悲鳴と歓声が錯綜する場内。いつものまったりしたヤマハスタジアムではない。そしてタイムアップ。スタジアム中から沸き上がる歓声。スタンディング・オベーション。鳴りやまないコール。
いい試合だったなあ。こんな試合、めったにない。2年ぶりのジェフ戦勝利というのも非常に気分がいい。
さて、次の試合は16日の水曜日、1stステージ第13節の対ヴィッセル神戸戦がホームで行われる。「残り試合はトーナメントのつもりで戦う」という桑原監督のコメント通り、勝つだけである。当然の如く見に行くのである。