新井素子研究会、情報追加。

二冊ある。
一冊目は笠井潔『ヴァンパイヤー戦争』第2巻(角川文庫)。掛川ブックオフで購入。新井素子さんが巻末解説を書いている。はてなでゲットした情報である。
平井和正の「ウルフガイ」みたいな話をいつか書いてみたいと思っていたが、作家生活を続けていく内にだんだんと自分にはそういう話を書く資質はないことが判ってきた。そう思っていた処に現れたのがこの小説で、自分が書きたかった「ウルフガイ」はこんな話だ! と思ったら入れ込まずにいられなくなり熱狂的なファンになった。というようなことが書かれている。
解説の締めくくりは笠井潔へのファンレター風である。

 笠井さん。このお話は、とっても、面白かったです。
 だから。読者っていうのは、病的に貪欲だから、平然とこういうことを要求しますけど(作家にしてみれば、こんなこといわれたって困るって、よく知ってるんですけどね)、この次は、もっとたくさん、もっと早く、山のように、出してください。待ってます。

新井素子さんがそうであるように、ファンというものはこういう要求をするということを俺はよく知っている。また、そういう要求を作家はなかなか叶えてくれないということもよく知っている。あなたのファンも同じ気持ちなんだよ〜と声を大にして言いたい訳で。
二冊目は喜多嶋隆『アフター・ファイヴに探偵を』。大須賀の古本市場にて購入。こちらは巻末解説を手嶋政明氏が書いている。手嶋氏は新井素子さんの旦那さんで、文中に「ウチのカミさん(新井素子)」などという言葉も登場してくる。
コピーライター志望だった手嶋氏が広告代理店に入社後、仕事で失敗した時にコピーライター出身である喜多嶋隆の小説に勇気づけられたこと、コピーライター出身作家の言語感覚の鋭さのこと、などが書かれている。手嶋氏の人となりの一端が窺えて興味深い。
文中に「書評誌に喜多嶋さんの小説のことを書いた」とあるが、これは何の雑誌のことだろうか。手掛かりは何もない。捜すのは難しそうだ。*1

*1:2004/11/27追記:『BOOKMAN』1990年27号に『フィリップ・マーロウの娘』について書いた文章があることが判明。