綿矢りさ『インストール』。

読了。なぜ芥川賞受賞作でなくこっちなのかというとずいぶん前に買ったまま放置していた本が部屋の中から発掘されたからである。薄かったし衝動的に読んでみた。綿矢りさ17歳の時の第38回文藝賞受賞作である。
文章のリズムとか描写力とか言い回しとか、正直、17歳がこれを書いたとはびっくりである。という感想を持つのは自分が過去に17歳だった経験があるからだな。17歳の俺は片眉剃り落として山に籠もったってこんな小説は書けなかっただろうとおじさんは述懐してしまうのである。よくできてるよなあ。小説の内容よりもそっちの方に感動する。
17歳の作家デビューというと新井素子を思い出さずにはいられない訳だが。
俺が新井素子を初めて読んだ時にはまだ17歳というのがどんなものか未経験だったので、年齢的な評価というものは意識の外であった。年上のお姉さんが書いた小説という意味では他の小説と同じだったのである。当時のおじさん達も今の俺と同じようなことを思ったりしたのだろうか。小松左京筒井康隆は違ったようだが、小説としての評価ってどうだったのか。『あたしの中の…』の書評とか読んでみたいですな。

で、これはライトノベルなんですか?