長者番付調査。

1980年〜1989年の朝日新聞による長者番付リストを作っている。特に目的がある訳でなく、せっかく図書館でコピーをとったのでこのままにしとくのももったいないと思っただけである。1985年の記事に新井素子の名前があったので、その関連で何かの資料として活用できるかもしれない。
年代順に比較して見たことないから、なかなか新鮮な体験である。所得額公示から納税額公示へと切り替わったのが1984年だったことも初めて知ったし、発見することもいろいろある。年が下るにつれてだんだん俺の知っている80年代になってくるのがおもしろい。
1986年に長者日本一に返り咲いた松下幸之助のコメントが印象深かった。

アメリカなど先進諸国は、いろいろな控除が認められ、実質の税金は日本よりかなり安いと思う。これだけ税金をとれば徳川時代であれば国民が一揆(いっき)を起こしているだろう。所得の八割を税金でもっていかれる。せめて半分は残るようにしてほしい」

経営の神様が怒っておられる。八割とはたしかに凄すぎるような気もする。自分はサラリーマンの経験しかないからあまり取られる税金の額を気にしたこともないし、所得が低いから八割なんて持って行かれることはないのだが、自分の腕一本で稼いでいる人がやりきれない気分になるのも判る。夢枕獏も昔エッセイで嘆いてたなあ。