「失恋で10キロやせた」とのこと。

新井素子さんの人間の方の初恋話。これまで検証してきたところでは高校三年説と大学一年説(それと中間的に18歳説)が存在することが判っている。高校三年説と大学一年説を繋ぐ発言を見つけたのでメモしておく。『ザ・スニーカースペシャル1994年春号』の新井素子特集中に掲載された談話「恋愛、そして結婚」の冒頭部である。

 初恋はとても遅くって、高校三年の終わりでした。その時に、初恋と片思いと失恋を同時にやってしまって、ものすごいショックを受け、一週間ほとんど何も食べられない状態になりました。すごいと思ったのは、その一週間で十キロやせたこと。食事をしないで、お酒ばかり飲んでいて、ある朝、目が覚めたら、世界が揺れるんです。立っていられないんですよ。その時も仕事をしていて……なんでこんな時仕事をしているんだろうと思うけど……原稿を編集部に持っていったんです。その時、さすがにこのままでは死んでしまうと思って、喫茶店で編集の人と待ち合わせしている時、ピザを食べたんです。

 ところが、一週間固形物を食べていなかったので、一切れ食べたらもどしそうになってしまって、なるほど人間って、こうしたら簡単に死ねるんだなと思いました。その時の作品は『宇宙魚顛末記』です。

話をまとめてみると「高校三年の終わり」から「大学一年」にかけての18歳の時に初恋を経験した、ということになるようだ。なるほど、ようやく腑に落ちた。