桜坂洋『よくわかる現代魔法 jini使い』。

読了。予想通りというか期待通りというか坂崎嘉穂がメインの話である。彼女は森下こよみや第3巻に於ける一ノ瀬弓子クリスティーナと違い既に自分の能力や用途を自覚済みのキャラクターであるので、物語中で何らかの壁を乗り越えるという成長物語には成り得ない。そのため彼女についての熱い盛り上がりはないがしかし、その黙々と自らの仕事に徹する姿が職人気質でおっとこ前ではある。木戸修の如き「いぶし銀」の存在感である。かような次第で期待ほどには坂崎嘉穂大活躍の物語とはなっていないものの、次巻でクライマックスを迎えるための仕掛けは山盛りで次巻への期待は弥が上にも高まるのであった。「最終兵器」なんて言葉が出てきたところを見ると第5巻は聡史郎の話になるのだろうか。物語が一周して再びこよみが中心となり、聡史郎との恋話になったりするとおじさんとしては無邪気に嬉しい。この巻で説明不足な部分が明らかにされることを期待する。
それにしても小ネタがよく判らない。辛うじて判ったのは「爆弾岩」くらいである。ネットで元ネタを検索した後に再読してみる。はぁ〜、「おっとテレポーター」てのはウィザードリィなのね。やったことねー。