「ねらわれた学園」。

はてなキーワードに『ねらわれた学園』を追加した。薬師丸ひろ子版は個人的に三本の指に入るくらい好きな映画なのである。当時の薬師丸ひろ子の筆舌に尽くしがたいかわいらしさが十二分にフィルムに定着しているというのが最大の理由なのだが*1、あえてチープさを前面に押し出したコミカルな演出にも妙な具合にツボを突かれてしまっている。この映画を徹頭徹尾貫く変な安っぽさについては評価を二分する処で、例えば峰岸徹の腹に描かれた巨大な目を見て失笑する人は昔から後を絶たない。しかし、たぶん確信的にそこかしこに仕掛けられたあの安っぽさに反発しないで身を任せ、最初からああいう作品世界なのだと思って浸りきって見れば不思議と納得が行かないか? 行かないか。俺は却ってあれがいいと思っているんだが。この辺りまで来ると好みの問題というより、経験則がまるで通用しない「考えるな、感じるんだ」の世界である。ある意味、悟りの境地である。判らん人には絶対に判らんのだろう。

*1:あのオープニングを見るたびに悶絶するファンは今でも多かろう。