吾妻ひでお『ななこSOS』第3巻。

グイン・サーガの101巻と一緒に買ってきた。ACT.57「ななこ&ひでおのイラストストーリー」で吾妻ひでおが『藤原喜明のスーパーテクニック』を読んでいるのが懐かしすぎる。思わず読み返したくなって部屋の中を探したのだが、どこへ行ったやら見つからない。続編の『藤原喜明の必殺十番勝負』ならあったのだが。うーむ。漫画には「スリーパー!」「チキンウイングフェイスロック!」「アキレス腱固め!」などと当時の最先端だったプロレス技が登場してくるばかりか、ななこが大ゴマでフライング・ニールキックまで繰り出すという、あの頃UWFに傾倒していた人間なら「これがUだ!」とかいきなり拳を握りしめながら叫び出してしまいそうなネタがガシガシ登場して来るのである。
そう言えば、『ひでおと素子の愛の交換日記』の文庫版第4巻にも吾妻ひでおUWFネタが出て来たんであったな。どこだっけ。(と文庫を漁る。)「注射がキライ!」の回P.50に、

ロープに振られても帰ってこないシューティング漫画家のあじまです!

と大見得を切っているコマがあった。これも懐かしいネタである。ロープに振られたレスラーは必ず跳ね返って来るというプロレスのお約束を逆手にとったUWF戦士達の非常に有効な戦術であり演出であり自己主張であった。
この交換日記とななこの話は同じくらいの時期に描かれたんだろうと思われる。あの頃のプロレスは熱かったなあ。新日対UWFイデオロギー闘争は最高に燃えたものである。吾妻が漫画に描きたくなる気持ちも判ろうってもんだ。